大阪市立萩之茶屋小学校

大阪市立萩之茶屋小学校：歴史と閉校、そしてその後

大阪市立萩之茶屋小学校は、かつて大阪府大阪市西成区に位置していた公立小学校です。西成区北東部を校区とし、1917年の創立以来、地域の子どもたちの学び舎として長く親しまれてきました。しかし、時代の変遷とともに児童数が減少。2000年代に入ると、1学年1クラスという小規模校となり、学校再編の議論が本格化します。

創立から閉校まで：地域の変遷とともに

萩之茶屋小学校は、西成郡今宮村で3番目となる小学校として、1917年に「西成郡今宮第三尋常小学校」として創立されました。その後、大阪市への編入、国民学校令の施行、学制改革などを経て、現在の校名となりました。

校区は、時代とともに変化しました。創立当初は今宮第一・第二小学校の校区を再編する形でスタートしましたが、その後、今宮第四尋常高等小学校の設立に伴い、校区の一部を譲渡しています。

2000年代に入ると、少子化による児童数の減少が深刻化し、周辺小学校の統合が検討されるようになります。地域住民との協議を重ねた結果、近隣の弘治小学校、今宮小学校と統合し、小中一貫校である大阪市立新今宮小学校・今宮中学校（通称：いまみや小中一貫校）へと改編されることになりました。

長きにわたる歴史に幕を閉じ、2015年3月31日、大阪市立萩之茶屋小学校は閉校。跡地には、2020年12月、大阪社会医療センター付属病院が新築移転しました。

統合と関連施設：あいりん学園と徳風小学校

萩之茶屋小学校の閉校は、単独の出来事ではなく、周辺地域の学校再編の一環として位置づけられます。

特に、あいりん地区の不就学児童対策として1962年に設置された「あいりん学園」との関わりは注目に値します。当初は萩之茶屋小学校・今宮中学校分校として発足しましたが、後に独立し、大阪市立あいりん小中学校、そして大阪市立新今宮小中学校と名称を変えながら、地域の子どもたちの教育を支えてきました。しかし、社会情勢の変化に伴い、新今宮小中学校は閉校。新今宮小学校の事務は萩之茶屋小学校が引き継ぎました。

また、太平洋戦争中の空襲で校舎を焼失した際、1946年には徳風国民学校を統合しています。徳風小学校は、篤志家によって設立された学校で、貧困により不就学となっていた児童のための教育の場でした。

萩之茶屋小学校の足跡

萩之茶屋小学校は、地域社会の変遷と密接に結びついた歴史を歩んできました。少子化による閉校は、時代の流れを反映する一方で、地域住民にとって大きな転換期となりました。しかし、閉校後も、跡地は新たな役割を担い、地域社会に貢献しています。

萩之茶屋小学校の歴史は、地域社会の変容、教育政策の変化、そして人々の生活の移り変わりを映す鏡と言えるでしょう。その歴史を振り返ることで、未来への展望を考える上で貴重な教訓を得ることができるはずです。

年表

以下に、萩之茶屋小学校の主な出来事を年表形式で示します。

1917年：西成郡今宮第三尋常小学校として創立
1941年：大阪市萩之茶屋国民学校に改称
1947年：大阪市立萩之茶屋小学校に改称
1962年：あいりん学園（分校）設置
1981年：大阪市立新今宮小学校閉校に伴い、事務を継承
2015年：閉校

交通アクセス

大阪市営地下鉄御堂筋線・堺筋線 動物園前駅
南海本線・大阪環状線・関西本線 新今宮駅
南海高野線 萩ノ茶屋駅
大阪市営地下鉄四つ橋線 花園町駅

これらの駅から徒歩圏内に位置していました。

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