大阪社会医療センター付属病院

大阪社会医療センター付属病院：あいりん地域医療の要

大阪社会医療センター付属病院は、大阪府大阪市西成区萩之茶屋に位置する、社会福祉法人大阪社会医療センターが運営する病院です。1970年、大阪万博開催の年、日雇労働者が多いことで知られるあいりん地域住民の医療ニーズに応えるべく、無料低額診療施設として設立されました。以来、経済的な理由で医療を受けられない人が一人もいないよう、質の高い医療を提供し続けています。

近年、あいりん地域では結核の罹患率が全国平均の20倍以上に上る深刻な状況が続いています。この問題に対処するため、病院では早期かつ正確な診断を可能にするための取り組みを積極的に行っています。2011年4月には結核菌遺伝子同定検査のTRC法を導入、翌年にはさらに迅速なLAMP法も導入することで、検査時間を大幅に短縮しました。また、結核診療の専門性を高めるため、2012年4月からは呼吸器専門の常勤医を配置しています。

病院の活動は、入院治療にとどまりません。2016年からは、退院後の患者さんへの訪問指導など、地域に密着した包括的な医療ケアを提供しています。これは、患者さんの社会復帰を支援し、地域社会全体の健康増進に貢献する上で重要な取り組みです。

以前はあいりん総合センター内に所在していましたが、同センターの老朽化に伴う建て替え・閉鎖を受け、2020年12月には大阪市立萩之茶屋小学校跡地に移転、新築の病院で診療を開始しました。新施設では、より快適で安全な医療環境を提供できるよう、設備の充実を図っています。

診療科: 幅広い診療科を有し、地域住民の多様な医療ニーズに対応しています。具体的には、内科、外科、整形外科、精神科、皮膚科、泌尿器科などです。

医療機関の認定: 多数の認定を受けており、その信頼性の高さがうかがえます。主な認定は以下の通りです。

保険医療機関
労災保険指定病院
結核指定病院
公害医療機関
生活保護法指定病院
原子爆弾被害者一般疾病医療取扱病院
指定自立支援病院（更生医療）
指定自立支援医療機関（精神通院医療）
精神保健指定医の配置されている医療機関
特定疾患治療研究事業委託医療機関
身体障害者福祉法指定医の配置されている医療機関
無料低額診療事業実施医療機関

アクセス: 交通アクセスも良好です。JR大阪環状線、JR大和路線、南海本線、南海高野線の新今宮駅から徒歩4分、Osaka Metro御堂筋線・堺筋線の動物園前駅から徒歩3分、阪堺電気軌道阪堺線の新今宮駅前停留場からも徒歩7分と、公共交通機関を利用して容易にアクセスできます。

周辺: あいりん地域の中心部に位置し、公益財団法人西成労働福祉センターや釜ヶ崎支援機構などの社会福祉団体と連携しながら、地域住民の健康と福祉向上に貢献しています。

設立者である本田良寛医師の理念を受け継ぎ、大阪社会医療センター付属病院は、これからもあいりん地域の医療を支え、地域住民の健康を守るための活動を継続していくでしょう。

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