大阪市電都島守口線

大阪市電都島守口線：大阪の街を駆け抜けた路面電車の歴史

大阪市電都島守口線は、大阪市都島区の都島本通駅と守口市駅の間に敷設され、多くの市民に親しまれた路面電車路線でした。本稿では、その歴史と概要を詳細に解説します。

開業から戦災、そして復興へ

都島守口線は1929年（昭和4年）5月20日、沢上江町二丁目駅（後の都島本通駅）から赤川町八丁目駅までの区間で開業しました。その後、段階的な延伸を経て、1931年（昭和6年）10月16日には守口町駅まで全通しました。順調に発展を続ける路線でしたが、1945年（昭和20年）3月13日から7月1日にかけて発生した大阪大空襲により、全線が運休を余儀なくされました。しかしながら、他の路線が復旧に時間を要する中、都島守口線は同年10月26日と比較的早期に運転を再開。戦後復興を象徴する路線の一つとなりました。この際、いくつかの駅名が変更されました。

数々の駅名変更と路線の変遷

戦後の混乱期を経て、都島守口線は幾度もの駅名変更を経験します。1946年（昭和21年）から1954年（昭和29年）にかけて、赤川町や生江町、大宮国民学校前駅など、多くの駅名が変更、または移設されました。これらの改称は、地域開発や学校名変更などに伴うものでした。1953年には赤川町一丁目駅が移設され、路線の整備も着実に進められていました。

廃止までの軌跡と系統

都島守口線は、1959年（昭和34年）7月当時、10系統、11系統、12系統、14系統の4つの系統が運行されていました。これらの系統は、大阪市内各地を結ぶ重要な役割を担っていました。しかし、時代の変化とともに路面電車の利用客は減少。そして、1969年（昭和44年）4月1日、長い歴史に幕を閉じ、全線廃止となりました。

路線データと技術概要

起点: 都島本通駅
終点: 守口駅
軌間: 1435mm
電化方式: 直流600V

参考文献

今尾恵介（監修）『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』 10 大阪、新潮社、2009年2月18日。ISBN 978-4-10-790028-9。
大阪市交通局『大阪市電廃止記念誌「市電」 ―市民とともに65年―』大阪市交通局、1969年3月25日。
辰巳博 著、福田静二 編『JTBキャンブックス 大阪市電が走った街 今昔 水の都の路面電車 定点対比』（初版）JTB、2000年12月1日。ISBN 4-533-036511。

関連事項

城北公園通
* 国道1号

大阪市電都島守口線は、その歴史と変遷を通して、大阪の都市発展と市民生活を深く反映した路線でした。その軌跡は、現代においても貴重な歴史的遺産として、記憶に留めておくべきでしょう。

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