大隈庭園

大隈庭園の概略

大隈庭園（おおくまていえん）は東京都新宿区の戸塚町に位置し、早稲田大学のキャンパス内に存在します。この庭園は、大隈重信の旧邸の一部となっており、面積は約3,000平方メートルに及びます。その歴史は江戸時代にさかのぼり、彦根藩井伊家や高松藩松平家の下屋敷として利用されていました。当時の庭園は大名庭園の特徴を持ち、池泉回遊式に設計されています。

歴史的背景

江戸時代後期、この地には大名の下屋敷が存在し、庭園の基礎が築かれました。明治維新後、所有者が変わる中で、大隈重信は1874年にこの庭を手に入れ、別邸として利用を開始しました。1882年には隣接地を早稲田大学を設立するために購入しました。1884年には、本邸としてこの大邸宅に移り、庭園は和洋折衷のスタイルへと改装されました。設計にあたったのは作庭家の佐々木可村です。大隈は植物に対する情熱も強く、温室や菜園を設けていたことから、洋ランやメロンも育てていました。

1922年に大隈が亡くなった後、庭園は早稲田大学に寄贈され、一般公開されるようになりました。その後、1945年の東京大空襲で深刻なダメージを受けたものの、戦後にはほとんど元通りに復旧されました。

庭園の魅力

大隈庭園内には美しい芝生や小川、四季折々の植物が配置されており、散歩道が整備されています。特に観光客の興味を引くのは、庭のあちこちに設置されている提灯や小さな石塔、彫像などの文化的な要素です。

主要な彫刻・モニュメント

• - 中華民国獅子像: 1983年に寄贈された、台湾校友会からの贈り物です。
• - エミレの鐘と韓鐘閣: 韓国校友会からの寄贈で、エミレの鐘は聖徳大王神鐘の1/2サイズのレプリカです。2004年には韓国式の鐘楼に移されました。
• - 童子石・文人石: 朝鮮王朝時代の石像があり、2007年に高麗大学校友会から贈られました。
• - 孔子像: 2008年に中華人民共和国から寄贈されたもので、设计・制作を山東省政府が行いました。
• - 完之荘: 1952年、実業家小倉房蔵から寄贈された飛騨地方の古民家です。
• - 旧大隈邸門衛所: 明治35年に建設されたこの建物は、戦争の影響を免れた早稲田大学で最も古い建築物です。
• - 大隈綾子像と田中穂積像: 大隈重信の妻を描いた像や、早稲田大学の第4代総長を表した像も存在します。

アクセスと利用に関する情報

大隈庭園へのアクセスは、東京メトロ東西線の早稲田駅から徒歩約4分で可能です。一般に公開されているのは、月曜日から土曜日の授業日のみで、時間は9時から17時（冬季は16時30分まで）となっています。当日は天候によっては閉園することもありますので、訪問前に確認しておくことをお勧めします。

周辺にはリーガロイヤルホテル東京や、大隈講堂などの名所がありますので、観光のついでに足を運ぶのも良いことでしょう。

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