大雄山駅

大雄山駅

大雄山駅は、神奈川県南足柄市関本に所在する、伊豆箱根鉄道大雄山線の終着駅です。駅番号はID12が付与されています。この駅の駅舎は、南足柄市によって登録有形文化財に指定されていますが、国の登録有形文化財ではありません。また、2024年2月14日からは「夢をカタチに。」という副駅名が付けられています。

歴史

大雄山駅は、1925年（大正14年）10月15日に大雄山鉄道の駅として開業しました。その後、1941年（昭和16年）8月23日には、合併により現在の伊豆箱根鉄道の前身である駿豆鉄道の駅となりました。駅周辺では都市基盤整備が進められ、1996年（平成8年）7月には駅前の再開発事業が完了しました。1998年（平成10年）には「関東の駅百選」の一つに選定され、その特徴的な駅舎が評価されました。鉄道サービスの近代化も進められ、2003年（平成15年）3月には大雄山線内で初めて自動改札機が導入され、その後の2007年（平成19年）3月18日にはICカード乗車券PASMOが利用可能となりました。2004年（平成16年）には自動券売機が更新されています。駅舎自体の価値も改めて認められ、2012年（平成24年）6月22日には南足柄市の登録有形文化財として登録されました。地域にゆかりのある童謡「金太郎」は、2015年（平成27年）3月1日より発車メロディーとして採用されています。近年では、2024年（令和6年）2月14日に地元の企業との契約により、副駅名「夢をカタチに。」が導入され、新しい駅名標の除幕式が行われました。

駅構造

大雄山駅は地上駅で、島式ホーム1面2線に加え、側線と車両を留置する車庫を備えています。線路はこの駅で行き止まりとなっており、ホームの西側に駅の本屋（駅舎）がホームと垂直に接続する形で建設されています。乗り場は、ホーム南側が1番線、北側が2番線として利用されています。車両を整備・保管する車庫は構内の北側に位置し、駅舎の南東側には伊豆箱根鉄道大雄山線運転区の建物があります。駅本屋は平屋建てで、内部には旅客用の待合所と駅事務室が設けられています。待合所には自動券売機が2台、自動改札機が3通路分設置されています。当駅は社員が配置された直営駅として運営されています。かつて駅舎内に売店がありましたが、現在は閉店しており、跡地は南足柄市の観光案内所として活用されています。夜間には車両の滞泊が設定されています。

駅周辺とバス路線

駅周辺は南足柄市の中心市街地を形成しており、スーパーマーケット、銀行、商店、学習塾など様々な施設が集まるビルが多く立ち並び、伊豆箱根鉄道大雄山線沿線においては、小田原駅周辺に次ぐ賑わいを見せるエリアです。駅名の由来ともなった曹洞宗の古刹、大雄山最乗寺へ向かう際には、駅前から発着するバスを利用するのが一般的です。大晦日から元旦にかけては、大雄山線と最乗寺方面への路線バスが終夜運転を実施しています。駅前には、ヴェルミ（複合施設）、市役所、警察署交番、文化会館、小中学校、高等学校、保健医療福祉センターといった公共施設や商業施設が集積しています。

大雄山駅からは、伊豆箱根バス、富士急モビリティ、箱根登山バスの3社によるバス路線が利用可能です。起終点となる多くのバスは駅前ロータリーの乗り場に発着しますが、事業者によって停留所名が異なり、伊豆箱根バスと富士急モビリティは「大雄山駅」停留所と称しているのに対し、箱根登山バスでは「関本」停留所と呼ばれています。ただし、箱根登山バスの関本行きの行先表示は「関本・大雄山駅」となっています。また、新松田駅と富士フイルム西門を結ぶ一部の路線は、駅前ロータリーには乗り入れず、県道74号上に設置された停留所を利用します。

その他

駅前広場には、足柄山にゆかりのある童話の登場人物「金太郎」の像が設置されており、駅のシンボルの一つとなっています。関東の駅百選に選定された理由として、この金太郎像が出迎える「三角屋根の山小屋風の駅」という点が挙げられています。また、毎年12月のクリスマスシーズンには、駅舎全体が美しくライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれます。過去には、1928年（昭和3年）に当駅と最乗寺を結ぶ大雄鋼索鉄道の敷設免許が交付されたものの、1931年（昭和6年）に失効した歴史や、御殿場線の山北駅までの延伸構想が存在したことが知られています。

伊豆箱根鉄道大雄山線の隣駅は、富士フイルム前駅（ID11）です。

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