大雪山の勇者 牙王

大雪山の勇者 牙王

『大雪山の勇者 牙王』は、1978年9月23日に放送された日本の単発テレビアニメで、北海道の大雪山を舞台にした物語です。この作品は、子供たちのための健全な娯楽を提供するために、スポンサーの日本生命の要望から企画されました。製作者たちは「日本で一番長いアニメ」という特長を持たせる計画を立てましたが、最新の放送となる予定が他の番組の影響で実現しませんでした。それでもこの作品は視聴者の好評を博し、翌年からフジテレビで長時間アニメの枠が設けられることとなります。

放送情報

本作は、1978年9月23日の午後に『土曜スペシャル』の枠で放送され、再放送は1980年1月3日に行われました。この再放送は、『お正月こども劇場』の一環として実施され、通常はアニメ映画が流れる中で、特別なテレビアニメが放送されるのは非常に珍しいことでした。

ストーリー

物語は、大雪山という美しい自然を舞台に展開します。サーカスから逃げ出した狼のデビルは、樺太犬のテツと出会い、5匹の子犬をもうけますが、人食い熊のゴンに襲われ命を落としてしまいます。残された子犬の中の1匹は、牧場の娘・早苗に拾われ、タキと名付けられて育てられます。

タキは狼の血を引いていますが、人間社会にはなかなか馴染めず、猟師の親子・カネトとヨシトに預けられます。しかし、そこでも自然とのつながりを求め、とうとう野生の世界へと戻ることにします。タキは数々の試練を経て成長し、野犬の仲間たちと共にゴンに立ち向かう決戦を迎えるのです。

キャスト

本作品の声優陣も注目すべきポイントです。日高早苗役を上田みゆきさん、ヨシト役を安原義人さん、カネト役を巌金四郎さんが務めました。また、ナレーションにはなべおさみさんが起用されています。

スタッフ

作品の制作は、日本アニメーションが担当し、フジテレビと電通大阪支社の協力のもとで行われました。脚本は中西隆三、音楽は小野崎孝輔が手がけ、キャラクターデザインには香西隆男と白梅進が関わっています。皆の協力によって、魅力的なアニメーションが仕上がりました。

主題歌

エンディングテーマ「愛は遥かに」は、武鹿悦子が作詞を担当し、小野崎孝輔が作曲・編曲を手がけています。歌は石毛恭子さんが歌っており、作品の雰囲気を一層引き立てています。

『大雪山の勇者 牙王』は、冒険と友情、成長をテーマにした感動的な物語で、一度見たら忘れられない印象を残す作品と言えるでしょう。

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