大須大道町人祭

大須大道町人祭

大須大道町人祭は、愛知県名古屋市中区の大須地区で毎年10月中旬に開催される、名古屋を代表する大規模なイベントです。2日間にわたり、延べ50万人以上の観客が訪れます。

歴史

この祭りの起源は、1970年代後半に遡ります。当時、栄や名古屋駅周辺の開発が進むにつれて、大須商店街は人通りが減少し、活気を失いつつありました。そこで、大須に再び賑わいを取り戻すために企画されたのが、大須大道町人祭です。

1975年6月28日には、名城大学助教授であった池田芳一氏の発案により、「第二のふるさと創造」をテーマとしたイベント「人間のまつり、アクション大須」が開催され、35万人もの人々が集まりました。この成功に触発された大須の商店主らが中心となり、1978年10月14～15日に第1回「大須大道町人祭」が開催されました。実行委員長には原智彦氏が就任し、寺山修司氏もこの祭りに賛同して参加しました。

当時、高度経済成長による社会の変化の中で、大道芸人たちは活躍の場を失いつつありました。そのため、第1回の大道町人祭には多くの芸人が集まりました。しかし、現在のようにジャグラーやマイマーが一般的ではなかった時代であり、初期の祭りはやや異様な雰囲気を醸し出していたと言われています。それでも、バナナの叩き売りやチンドン屋など、多種多様な大道芸が一堂に会する光景は人々の目を引き、約50万人の観客が大須を訪れたと伝えられています。

その後、回を重ねるごとに祭りは発展を続け、1997年には名古屋都市景観賞を受賞、2007年には30周年を迎えました。現在では、全国から集まった大道芸人たちが大須の街中（道路や寺の境内など）を舞台に様々なパフォーマンスを繰り広げ、この祭りがきっかけで、大須は日常的に大道芸を見ることができる街として知られるようになりました。

また、祭りの華である「おいらん道中」では、花魁と禿は市民からの公募によって選ばれ、花魁に付き従う男衆は、長らくロック歌舞伎スーパー一座の座員が務めていました。

近年の出演芸人

大須大道町人祭には、毎年多くの大道芸人が参加しており、その一部を以下に示します。

ギリヤーク尼ヶ崎 - 舞踏
ちんどん通信社 - チンドン屋
大駱駝艦 - 金粉ショウ
雪竹太郎 - 人間美術館
Mr.アパッチ - BMXアクロバット
サンキュー手塚 - パントマイム
加納真実 - パントマイム
ダメじゃん小出 - ジャグリング
三雲いおり - ジャグリング
セ三味ストリート - 津軽三味線
タック!! - ジャグリング
タカパーチ -人間ジュークボックス
火付盗賊 -ファイヤーパフォーマンス

大須大道町人祭の特徴として、継続して参加する芸人が多いことが挙げられます。最も長い参加歴を持つのは、ギリヤーク尼ヶ崎氏であり、第2回から現在に至るまで（途中未参加期間あり）出演を続けています。

まとめ

大須大道町人祭は、商店街の活性化を目的として始まったものの、今や名古屋を代表する文化的なイベントとして定着しています。多種多様な大道芸を間近で楽しむことができ、訪れる人々に感動と興奮を与え続けています。

参考資料

『名古屋市中区誌』中区制100周年記念事業実行委員会、2010年。全国書誌番号:22107891。

関連項目

名古屋まつり

外部リンク

大須大道町人祭)

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