天城池田家

天城池田家の歴史

天城池田家（あまきいけだけ）は、池田氏の庶流にあたる武家・士族・華族として、独自の歴史を刻んできた家系です。この家は江戸時代に備前岡山藩の家老家として活動し、明治維新以降は士族を経て華族の男爵家に列せられました。

初代とその家系の形成

この家の初代、池田由之は、池田恒興の長男である池田元助の嫡男でした。元助は長久手の戦いで戦死しましたが、由之は幼少だったため家督を継承できず、元助の弟である輝政が家を継ぎました。その結果、由之は輝政に仕官することになりました。

元和3年（1617年）には鳥取に封じられた後、寛永9年（1632年）には岡山に転封され、由之の子である由成が下津井城代を務めました。しかし、同16年の一国一城令により下津井城は廃城となり、その後天城村に陣屋を構えることになります。こうして、天城池田家と名乗るようになりました。

この家系は以降も岡山藩の次席家老家として比較的安定した地位を保つこととなります。由成の娘、熊子は赤穂藩の家老である大石良昭に嫁ぎ、忠臣蔵で有名な大石良雄（大石内蔵助）が彼の孫に当たります。

幕末・明治維新と士族から華族へ

幕末の時期、家の当主である池田政和は戊辰戦争において官軍の一員として戦い、新たな戦功を挙げました。これにより、家の名声が高まり、維新後は初め士族に位置づけられますが、明治17年（1884年）に華族制度が五爵制に変更された際に、政和は男爵に叙されました。

叙爵の際には、政和の戦功や家系の由緒、さらには華族としての体面を維持するための財産を保持していることが考慮されました。これにより、家は名実ともに華族の一員となったのです。

代を重ねた政佑は、陸軍の軍人として少佐まで昇進し、その子の政之の代には、天城池田男爵家の邸宅が東京市中野区氷川町に存在したことが記録されています。

歴代当主とその影響

天城池田家における歴代当主には、池田由之から始まり、池田由成、由孝、由勝、保教、政純、政喬、政孝、政徳、政昭、政和、政佑、そして政之と続きます。各代が家系を守り続け、日本の歴史の重要な一部を形成してきました。

このように、天城池田家は、そのルーツや歴史を通じて、日本の近世から近代にかけての武家社会の変遷を体現している家系であったと言えるでしょう。

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