池田由之

池田由之の生涯

池田由之（いけだ よしゆき）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、天城池田家の初代です。由之は、天正5年（1577年）に尾張国犬山で、池田元助の嫡男として誕生しました。

彼の幼少期は父の死去によって大きく影響を受けました。天正12年（1584年）、小牧・長久手の戦いにおいて、父元助と祖父池田恒興が徳川家康の軍に襲われて討死しました。当時、由之はわずか8歳でした。このため、家督は父の弟である池田輝政に引き継がれることになります。

その後、由之は天正17年（1589年）に5千石の知行を与えられ、天正19年（1591年）には三河国吉田でさらに5千石が加増されました。慶長5年（1600年）、由之は関ヶ原の戦いに従軍し、その名を天下に知らしめることとなります。

翌年の慶長6年（1601年）には播磨国に移り、佐用郡で2万2千石を与えられ、平福に陣屋を構えました。この時期、彼は利神城の改修にも取り組みました。また、慶長12年（1607年）に駿河での普請役を勤めた際には、徳川家康から馬を授かることができました。

慶長14年（1609年）には備前国の児島郡にある下津井城に移り、3万2千石を領有することになりました。この時を機に、池田由之は名を出羽に改めました。由之の私生活でも影が差し、慶長17年（1612年）には正室の万が亡くなり、享年20歳という若さでの死でした。

その後、慶長18年（1613年）には叔父の輝政が他界し、その嫡男である利隆が家督を継ぎます。由之は下津井から明石城に転任しますが、利隆が元和2年（1616年）に死去すると、彼の後を受けた家督を継いだ光政も元和3年（1617年）には幼少であったため、因幡国鳥取藩へと転封されてしまいます。この結果、由之も明石城から米子城へと移ることになります。

この時、池田家中では多くの要職や重要な立場にいた人物が次々と亡くなっていく状況が続いていました。由之は若き光政をしっかりと支えようと奮闘しましたが、元和4年（1618年）には不運に見舞われ、大小姓・神戸平兵衛の恨みを受け、江戸から米子への帰路において刺殺されてしまいます。享年42歳でした。由之の法号は海禅寺殿霊岳永祥大居士となり、家督は嫡男の由成が相続しました。

家族関係

• - 父: 池田元助
• - 母: 伊勢貞良の娘
• - 正室: 万（即心院）、蜂須賀家政の娘
• - 子ども:

- 長男: 由成（岡山藩家老、天城池田家の当主）
- 次男: 由英（池田玄寅、徳島藩家老）
- 三男: 忠義（岡山藩番頭）
- 四男: 之政（鳥取藩家老）
- 娘: 竹子（津守国貞室）

池田由之の生涯は、波乱に満ちたものでしたが、彼の努力によって池田家の基盤が確立されました。

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