天埜良吉

天埜良吉の生涯と業績

天埜良吉（あまのりょうきち）は、1904年に愛知県で生まれ、1972年に亡くなった日本の著名な土木技術者であり、内務技官、運輸技官、政治家としても知られています。彼は運輸省港湾局長や参議院議員を務め、その業績は今なお多くの人に尊敬されています。

学歴と初期の経歴

彼は1929年に東京帝国大学の工学部土木工学科を卒業し、内務省土木局に入局しました。その後、横浜土木出張所や青森港修築事務所の長、仙台土木出張所工務部長など重要なポジションで経験を積みました。彼のキャリアは、特に港湾関連のプロジェクトに多くの毛が触れられました。

運輸省での活動

1943年、運輸通信省の新設に伴い彼は同省へ異動し、1945年に新たに設立された運輸省に移りました。ここでは、港湾局計画課長をはじめ、第三港湾建設局長などさまざまな重要な職務を歴任しました。特に、1955年には港湾局長に就任し、全国の港湾整備を推進するために尽力しました。この役職での彼の指導の下、数多くの港湾プロジェクトが進められ、結果として日本の港湾 infrastructure（インフラストラクチャー）の発展につながりました。

政治家としての活動

1959年に行われた第5回参議院議員通常選挙では、自由民主党から全国区で出馬し当選。その後、彼は1期6年間の参議院議員としての任期を全うしました。この間、第2次池田内閣や第3次池田内閣において法務政務次官を歴任し、運輸政策審議会委員としても活動しました。彼の政治においても、港湾の発展と運輸政策の向上を図る努力が見られました。

その他の業績

天埜氏は、単に政治の世界だけでなく、民間でも幅広く活躍しました。彼は日本港湾協会の理事長や、港湾荷役機械化協会顧問、海上保安協会顧問、日本倉庫協会顧問としても貢献しました。また、日本大学の講師として後進の指導にも力を注ぎました。国際港湾協会を創設するために活動し、特に港湾を通じた日ソ交流の促進にも取り組みました。

死去と評価

天埜良吉は1972年1月11日に67歳で亡くなりました。彼の死後、勲二等瑞宝章が追贈され、従五位から従三位に叙されるという栄誉を受けました。生涯を通じて多くの人々に影響を与えた彼の業績は、今もなお海運や港湾事業に携わる人々に受け継がれています。

受賞歴

彼は、1971年に交通文化賞を受賞し、さらに1972年には勲二等瑞宝章、従三位を追贈されるという栄誉に浴しました。

著作

彼の著作には、1959年に発表された『最新岸壁の設計法』があり、これも土木工学の分野に貢献した重要な出版物の一つです。

参考文献

天埜良吉の功績については、以下の文献が参照されています。

• - 高橋裕、藤井肇男共著『近代日本土木人物事典: 国土を築いた人々』鹿島出版会、2013年。
• - 『新訂 政治家人名事典 明治～昭和』日外アソシエーツ、2003年。
• - 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

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