天川大島町

天川大島町

群馬県前橋市の地名、天川大島町（あまがわおおしままち）は、市域の南部に位置しています。2013年時点での面積は約2.06平方キロメートルです。町内には、丁目表示のない区域（天川大島町）と、天川大島町一丁目から三丁目までの区域が設けられています。郵便番号は379-2154です。地番上の区分ではありませんが、慣習として丁目のある区域は「原町」、ない区域は「本町」あるいは「住宅」と呼ばれることがあります。

地理

天川大島町は、JR両毛線の西側に沿って南北に細長く広がる地域です。両毛線が町域の中央部を北西から南東に向けて貫いています。特に、JR前橋大島駅の周辺エリアには木材関連の工場や施設が集積しており、隣接する上大島町にかけて「東前橋工業団地」として知られています。両毛線と国道50号線の間に位置する区域は、主に住宅地として利用されています。

町域を北西から南東に走る県道2号前橋館林線は、天川大島町だけでなく周辺地域や自治体にとっても極めて重要な幹線道路であり、日中の交通量が常に多い状態です。以前は、館林方面から町域に入ると片側二車線から一車線に減少し、天川大島町交差点の複雑な形状も相まって慢性的な交通渋滞が発生していました。しかし、1999年の前橋大島駅開業前後から駅南側の道路拡幅工事が順次進められた結果、渋滞は徐々に緩和されています。天川大島町交差点から東前橋工業団地入口交差点にかけての区間では、中央分離帯や道路脇に黒松が植栽されており、地元住民からは「松並木」として親しまれています。この松並木がある場所は、かつて処刑場があったと伝えられており、天川大島町交差点近くにひっそりと建つ石碑にその歴史的な名残を見ることができます。

河川

町域内には広瀬川が流れています。

隣接地区

天川大島町は、北側で西片貝町、東片貝町に、東側で野中町、上大島町、下大島町に、南側で広瀬町に、西側で朝日町、文京町、天川町、朝倉町にそれぞれ接しています。

歴史

天川大島町は、江戸時代に「天川大島村」として成立したとされています。その成立過程については、天川村から分村したとする伝承と、大島村が上大島村、下大島村と同様に分村して成立したとする説が存在します。

成立に関する詳細な記録として、明治10年の『郡村誌』は元禄年間（1688年 - 1704年）に天川村から分かれたとしています。一方で、寛文8年（1668年）の『寛文郷帳』に「大嶋村」として記載された石高が、元禄15年（1702年）の『元禄郷帳』では「上大嶋村」「下大嶋村」「天川大嶋村」の三村に分割されて記録されています。このことから、天川大島村の土地は大島村から分かれた可能性が高いと考えられています。しかし、天川村や下大島村出身とされる家々や、周辺の村にある寺院を菩提寺とする家も存在することから、この地への人の移住は両方面からあったものと推測されています。

主な出来事

天正18年（1590年）：平岩親吉が前橋城主となり、以後江戸時代を通じて前橋藩領となる。
元禄15年（1702年）：『元禄郷帳』に「天川大嶋村」の名が見える。
明治22年（1889年）4月1日：町村制が施行され、天川大島村は周辺13村と合併し、南勢多郡木瀬村の一部となる。
明治29年（1896年）4月1日：南勢多郡と東群馬郡が統合され、勢多郡に属する。
昭和30年（1955年）4月1日：木瀬村の一部（天川大島、上大島、女屋、上長磯、東上野、野中）が前橋市に編入され、前橋市天川大島町となる。
昭和52年（1977年）：町域の一部が西片貝町に編入されるとともに、西片貝町、東片貝町、野中町の各一部と合併して天川大島町一丁目、二丁目が誕生する。
昭和60年（1985年）：町域の一部が上大島町に編入されるとともに、西片貝町、東片貝町、野中町の各一部と合併して天川大島町三丁目が誕生する。

交通

鉄道：JR東日本両毛線 前橋大島駅が利用可能です。
道路：北部を国道50号が東西に走り、県道2号前橋館林線（駒形バイパス）が両毛線に並行して通っています。また、東部バイパスも町域内を通過しています。

主な施設

前橋大島駅
前橋天川自動車教習所
東前橋工業団地
前橋東警察署
前橋東警察署天川大島町交番
前橋市斎場
群馬県赤十字血液センター
前橋公共職業安定所（ハローワークまえばし）
前橋天川大島郵便局
愛宕神社
前橋藩刑場跡供養塔ならびに道しるべ（前橋市指定重要文化財）

この他、小中学校の学区や詳細な世帯数・人口については、市や教育委員会の公表する最新の情報をご確認ください。

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