天恩寺 (岡崎市)

天恩寺（てんおんじ）

天恩寺は、愛知県岡崎市片寄町に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。この寺は、長篠の戦いに出陣する徳川家康が宿泊した寺として知られ、「見返り大杉」の伝説が残っています。

歴史

天恩寺の建立年代は明確ではありませんが、寺伝によれば、矢作川の戦いで敗れた足利尊氏がこの地に逃れ、本尊である延命地蔵尊に戦勝を祈願しました。尊氏は勝利した場合、寺院を建立することを誓い、翌日の戦いで勝利を収めました。しかし、約束を果たすことができず、遺言により室町幕府第3代将軍足利義満が1362年に天恩寺を建立したとされています。

13世紀には、足利氏宗家第3代足利義氏が鎌倉幕府の三河守護として拠点を構えて以来、西三河は足利氏の第二の本拠地となりました。1382年には、足利義満の誕生日祈祷のため寺領が寄進され、義満自筆の山号・寺号が下付されました。1423年には、第4代将軍足利義持により祈願所とされました。

応仁の乱などで室町幕府が混乱すると、幕府の庇護を受けていた天恩寺の勢力も衰退しましたが、戦国時代に入り、天正年間には額田を勢力下に置いた奥平氏の庇護を受け、再興しました。1575年には、長篠の戦いに向かう徳川家康がここで一泊しました。1602年には、徳川家康から片寄村79石余の寄進を受けました。

文化財

天恩寺は、以下の文化財を所有しています。

重要文化財（国指定）
天恩寺仏殿
天恩寺山門
岡崎市指定文化財
からうすの図
蝦蟇、鉄拐仙人図
木造地蔵菩薩坐像・不動明王坐像・愛染明王坐像（附 地蔵菩薩坐像内納入品）
見返りの大スギ（天然記念物）

ギャラリー

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脚注

参考文献

『新編岡崎市史額田資料編Ⅰ』 新編岡崎市史額田資料編編集委員会、2010年3月31日。
『額田町史』 額田町史編集委員会、1986年11月1日。

関連項目

額田町
豊富村 (愛知県額田郡)
高富村

外部リンク

天恩寺・見返りの大杉｜岡崎市観光協会公式サイト
* 天恩寺 （チャンネルおかざき　平成27年7月11日～20日放送）／岡崎市広報 - YouTube

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