天見地区

天見地区

天見地区は、大阪府河内長野市の南部に位置する地域で、かつての南河内郡天見村の領域にあたります。この地域は、豊かな自然と歴史的な景観が特徴で、古くからの集落が今も多く残っています。

歴史

天見村時代

1889年（明治22年）の町村制施行により、天見村、岩瀬村、清水村、流谷村が合併し、天見村が誕生しました。村役場は現在の河内長野市立天見小学校の場所に置かれていました。

1915年（大正4年）には高野登山鉄道（現在の南海高野線）が開通し、千早口駅と天見駅が設置され、交通の便が向上しました。

1954年（昭和29年）に、天見村は周辺の町村と合併し、河内長野市の一部となりました。

河内長野市制施行以降

1969年（昭和44年）には国道170号（現在の国道371号）の紀見トンネルが開通し、和歌山県へのアクセスが容易になりました。

2000年（平成12年）には、河内長野市立天見小学校が市内全域から通学可能な特認校となり、教育面でも注目を集めました。

2003年（平成15年）と2018年（平成30年）には、国道371号のバイパスが段階的に開通し、交通網がさらに整備されました。

地理

天見地区は、河内長野市の南部に位置し、和歌山県との県境に紀見峠があります。地域の中央部を天見川が流れ、岩瀬地区には岩瀬川が流れています。これらの川沿いに集落が形成され、国道371号が天見川に沿って通っています。

この地域は、高度経済成長期以降も大規模な宅地開発が行われなかったため、古くからの集落の風情を色濃く残しています。山間部には、旗尾岳や紀見峠などの山々があり、自然豊かな環境です。

山・峠

旗尾岳
紀見峠

河川

天見川
岩瀬川

地域

天見

天見地区は、旧天見村の中心部にあたり、下天見、出合、島ノ谷、上天見といった地区から構成されています。地名の由来は古代の余戸の転訛という説があり、南北朝時代には「安満見」とも記されました。天見駅周辺には、天見温泉として知られる南天苑という旅館があります。地域を縦貫する国道371号沿いには、田畑や家屋が並び、南部は金剛・葛城山系の山間地帯となっています。

主な施設、旧跡など

天見駅（南海高野線）
天見温泉
八幡神社
蟹井神社
河内長野警察署天見駐在所
河内長野市立天見小学校
関西電力金剛変電所
ダイヤモンドトレール
天見不動（葛城第十七番経塚）
旗尾城跡（旗尾岳）

岩瀬

岩瀬地区は、旧岩瀬村の領域にあたり、千早口駅周辺の線路沿いに集落が形成されています。上岩瀬と下岩瀬の地区に分かれており、西側の天見川沿いには家屋や田畑が広がり、東側は山間部となっています。観心寺七郷の一つであり、南北朝時代から文献に記録が残っています。

主な施設、旧跡など

千早口駅（南海高野線）
薬師寺
天見公民館
御所の辻 地蔵尊
岩瀬経塚山（葛城第十八番経塚）

清水

清水地区は、旧清水村の領域にあたり、高野街道脇の清水井が地名の由来とされています。国道371号沿いに集落が形成されており、惣代と呼ばれる集落は石仏地区と地形的に繋がっています。天見川を挟んで岩瀬地区と生活圏を構成し、国道371号から千早口駅にかけて集落や田畑が広がっています。

主な施設、旧跡など

地蔵寺
清水神社
惣代棚田
左近城跡

流谷

流谷地区は、旧流谷村の領域にあたり、国道371号の出合ノ辻交差点から西へ約1kmの地点に位置しています。流谷川沿いの谷あいに集落が形成されており、葛城二十八宿修験の第十六番経塚があります。かつては流谷八幡神社付近も流谷地区でしたが、分村し、後に天見村の一部となりました。

主な施設、旧跡など

流谷金剛童子（葛城第十六番経塚）
流谷薬師堂（流谷集会所）
石造十三仏

交通

鉄道

南海電気鉄道
南海高野線：千早口駅 - 天見駅

道路

国道371号（大阪橋本道路）
紀見トンネル

脚注・出典

町名一覧表 - 河内長野市

参考文献

楠原佑介『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。ISBN 4-490-10280-1。

関連項目

大阪府の廃止市町村一覧
天見温泉
奥河内

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