天野守信

天野守信（あまの もりのぶ）は、昭和13年（1938年）に広島県廿日市町（現在の廿日市市）で生まれ、平成16年（2004年）7月16日に65歳で亡くなった、日本の著名な合唱指揮者です。彼は、特に崇徳高校グリークラブの創立者、初代指揮者、音楽監督として知られています。

生い立ちと合唱との出会い

天野守信は、広島県立国泰寺高校在学中に合唱を始めました。その後、同志社大学に進学し、グリークラブに所属。ここでは、当時の同志社グリークラブ常任指揮者であった福永陽一郎に師事し、音楽の基礎を築きました。また、作曲家である多田武彦とも親交を深め、音楽に対する視野を広げました。

指揮者としてのキャリア

大学卒業後、天野は旧丸善石油に就職しましたが、音楽への情熱は冷めることなく、母校である国泰寺高校合唱部で指導を始めます。その後、山陽女子高校音楽部や九州産業大学グリークラブでも指導を行い、その指導手腕を発揮しました。

昭和43年（1968年）には、崇徳学園の英語教師として就職。すぐさまグリークラブを創立し、その指導に全身全霊を注ぎました。天野の指導の下、崇徳高校グリークラブは、定期演奏会の開催や全日本合唱コンクールへの出場を重ね、本選では10回もの金賞を受賞するという輝かしい成果を上げました。また、多くの作品の委嘱活動も積極的に行い、日本男声合唱界の発展に大きく貢献しました。

天野は、広島県合唱連盟の要職を歴任し、広島合唱界の牽引役としても活躍しました。彼の情熱的で献身的な指導は、多くの合唱団に影響を与え、日本の合唱界の発展に大きく貢献しました。

定年後も合唱指導に尽力

崇徳学園を定年退職した後も、天野はグリークラブの指導を続けましたが、平成12年（2000年）に勇退。その後も、広島同志社混声合唱団や崇徳高校グリークラブOB有志で結成された広島オルフェオンの常任指揮者を務め、合唱指導者として精力的に活動しました。彼の音楽の守備範囲は広く、男声合唱のみならず、女声合唱や混声合唱にも携わり、多様な音楽表現を追求しました。

突然の死と遺されたもの

平成16年（2004年）7月、旅行先の鳥取県の温泉で倒れ、そのまま現地で息を引き取りました。享年65歳でした。

崇徳グリークラブ指揮者時代には、海外での演奏活動にも力を注ぎ、特にアメリカのカーネギーホールでは3度の公演を成功させたほか、「第3回世界合唱シンポジュウム」ではカナダのオルフュームシアターで演奏を行うなど、国際的な舞台でも活躍しました。

天野守信の情熱的な指導と音楽への深い愛情は、多くの人々に影響を与え、日本の合唱界に多大な遺産を残しました。

関連事項

崇徳学園
同志社大学
多田武彦
九州産業大学

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