天野良晴

天野良晴

天野良晴（あまの よしはる、1943年8月16日 - ）は、神奈川県出身の元陸上自衛官です。父は元統合幕僚会議議長の天野良英です。

経歴

1966年3月、防衛大学校本科第10期を首席で卒業し、陸上自衛隊に入隊しました。その後、第14普通科連隊長、陸上幕僚監部人事部長、第12師団長、陸上幕僚副長などの要職を歴任し、西部方面総監に就任しました。

次期陸上幕僚長への昇格が有力視されていましたが、陸上幕僚監部人事部長在任中に発生した東富士演習場違法射撃事件に関連する不適切な事故処理が発覚し、陸将としては初となる停職処分を受け、辞任しました。この事件により、同期の中谷正寛が陸上幕僚長に就任することになりました。

年譜

1966年3月：防衛大学校本科第10期を首席で卒業、陸上自衛隊に入隊（1等陸曹）。
1977年7月：3等陸佐に昇任。
1981年1月：2等陸佐に昇任。
1985年7月：1等陸佐に昇任。
1986年8月：北部方面総監部防衛部防衛課長に就任。
1988年4月1日：第14普通科連隊長兼金沢駐屯地司令に就任。
1990年3月16日：陸上幕僚監部装備部装備計画課長に就任。
1991年7月1日：陸将補に昇任、陸上幕僚監部装備部副部長に就任。
1992年6月16日：北部方面総監部幕僚副長に就任。
1994年7月1日：陸上幕僚監部人事部長に就任。
1996年7月1日：陸将に昇任、第20代第12師団長に就任。
1997年7月1日：第36代陸上幕僚副長に就任。
1998年7月1日：第26代西部方面総監に就任。
2000年4月27日：懲戒処分（停職20日）の宣告を受け、翌28日に西部方面総監を辞任（退職）。

東富士演習場違法射撃事件と停職処分

天野良晴のキャリアにおいて大きな転換点となったのが、東富士演習場違法射撃事件です。この事件は、天野が陸上幕僚監部人事部長を務めていた時期に発生しました。事件そのものも問題でしたが、その後の事故処理における不適切な対応が発覚し、天野は陸将としては初となる停職処分を受けることになりました。この処分は、天野の将来に大きな影を落とし、陸上幕僚長への昇進の道を閉ざす結果となりました。

人物

防衛大学校を首席で卒業したことからもわかるように、天野は非常に優秀な人物であったと考えられます。数々の要職を歴任し、将来を嘱望されていましたが、不祥事によってそのキャリアを終えることになりました。この事件は、組織における責任の重要性と、不祥事発生時の適切な対応の難しさを示す事例として、教訓とすべきでしょう。

関連項目

鈴木通彦
警務管理官
重処分

参考文献

防衛年鑑2000（防衛年鑑刊行会）

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