天龍寺 (飯能市)

子ノ権現天龍寺：歴史と信仰、そして絶景

概要

埼玉県飯能市に位置する子ノ権現天龍寺は、天台宗に属する寺院であり、武蔵野三十三観音霊場の32番札所でもあります。標高640メートルの山頂に鎮座し、正丸峠や伊豆ヶ岳からの登山道からもアクセス可能です。神仏習合の寺として知られ、特に足腰の守護神として古くから信仰を集めています。境内には、歴史を感じさせる数々の建造物や、自然豊かな景色が広がり、多くの観光客や登山客が訪れます。


歴史と信仰

天龍寺の創建は、延喜11年（911年）に子ノ聖が十一面観音を祀ったことに始まります。その後、弟子である恵聖上人によって子ノ聖大権現社が建立されました。子ノ聖は昇天の際に、この山に残り衆生を守護することを誓い、以来、足腰の病に悩む人々の信仰を集めるようになりました。歴史的には、出羽国羽黒山末として法子相続が続き、宝永2年（1705年）には輪王寺宮の末寺、明治元年（1868年）には延暦寺の末寺となりました。


足腰守護と鉄の大わらじ

天龍寺は、古くから足腰の守護神として信仰されており、参拝者は本尊に履物を奉納する習慣があります。境内には、その信仰の象徴として、重さ2トンにも及ぶ日本一の鉄わらじが奉納されています。現在でも、多くのわらじや履物が奉納され、足腰の健康を祈念する人々の信仰の深さを物語っています。

参拝者は、足腰の不調を抱える人々だけでなく、古くから人力車や荷車関係者、農林漁業従事者、相撲力士、そして近年ではスポーツ選手や、交通安全を祈願するドライバーなど、幅広い層に渡っています。


境内と周辺環境

天龍寺の境内には、樹齢800年と推定される埼玉県天然記念物の二本杉をはじめ、仁王像、本堂、本坊などが残されています。境内からは素晴らしい眺望も楽しめ、飯能アルプスの雄大な自然を満喫できます。また、人気の漫画『ヤマノススメ』にも登場しており、作品をきっかけに訪れるファンも多いようです。周辺には、伊豆ヶ岳、竹寺、天覚山、正丸峠など、他の観光スポットも点在しています。


アクセス

天龍寺へのアクセスは、一般道と高速道路の両方から可能です。一般道では、国道299号や埼玉県道395号南川上名栗線を利用できます。高速道路の場合は、圏央道狭山日高インターチェンジ、入間インターチェンジ、青梅インターチェンジからアクセスできます。最寄りの駅は西武池袋線の吾野駅と西吾野駅ですが、駅から徒歩約90分のハイキングが必要になります。駐車場も完備されているため、車でのアクセスも便利です。


まとめ

子ノ権現天龍寺は、歴史、信仰、そして自然が一体となった魅力的な寺院です。足腰の守護神として信仰を集め、多くの参拝者から愛されています。雄大な自然に囲まれた境内は、静寂と癒しの空間を提供し、訪れる人々に安らぎを与えてくれます。歴史に触れ、自然を満喫し、そして祈りを捧げる、そんな特別な時間を天龍寺で過ごしてみてはいかがでしょうか。

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