吾野駅

吾野駅の概要

吾野駅（あがのえき）は、埼玉県飯能市坂石町分にある西武鉄道の駅で、池袋線の終点であり、同時に西武秩父線の起点でもあります。駅番号はSI31で、交通の要所としての重要性を持っています。西武秩父線の開業によって中間駅としての役割が強化されましたが、始発と終着の便もわずかに設定されています。

歴史

吾野駅の歴史は1929年（昭和4年）9月10日に始まり、当初は武蔵野鉄道の終着駅として開業しました。その際、駅は単式ホーム1面1線の非常にシンプルな構造でした。1970年には西武秩父線が開業し、駅は事実上の中間駅となりました。その後、1978年には貨物営業が廃止され、1997年4月には新駅舎が使用開始されました。

特に1999年8月には、強い雨により駅の裏手の崖で大規模な土砂崩れが発生し、駅の一部が埋没する事故がありました。しかし、駅の復旧は迅速に行われ、1999年9月15日には全面的な運転再開が実現しました。

駅構造

吾野駅の構造は、島式ホーム1面2線を持つ地上駅です。上下列車の交換設備も完備されており、日中は各駅停車の大半が当駅での停車を行います。また、ホームのない側線も存在し、特急やS-TRAINが入線することもあります。駅舎は線路の北側に位置し、ホームとは構内踏切で連絡しています。

改札には自動改札機は設置されていませんが、PASMOやSuicaなどの利用者向けに簡易な改札機が用意されています。トイレは駅舎内に男女別のものがあり、また駅舎から少し離れた場所には多客期専用のトイレも設けられています。

利用状況

2023年度のデータによると、吾野駅の1日あたりの平均乗降人員は528人であり、西武鉄道の92駅中では87位に位置しています。乗降人員は減少傾向にあり、駅の利用状況は厳しいものがあります。

駅周辺

駅前には「奥武蔵美晴休憩所」という食堂兼商店があり、地元の方々はもちろん観光客にも利用されています。また、駅の北側には江戸秩父道吾野宿の歴史的な街並みが広がり、県の「歴史のみち景観モデル地区」に選定されています。ここには3棟の町家が飯能市景観重要建造物に指定されている点が特徴です。

その他、駅周辺には高麗川、国道299号、吾野郵便局、奥武蔵中学校など、様々な施設が存在します。また、近隣には顔振峠や秩父御嶽神社、東郷公園などの観光地も点在しており、ハイキングや食事を楽しむには絶好の環境が整っています。

その他

吾野駅は、2024年4月に放送を開始するアニメ「終末トレインどこへいく?」の第1話の舞台地点になることが決まっており、これにより新たな注目を集めることが期待されています。駅は地域の歴史や文化と深い関わりを持ち、多くの人々に親しまれている場所です。

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