太田資頼

太田資頼（おおた すけより）

太田資頼は、文明16年（1484年）に生まれ、天文5年4月20日（1536年5月10日）に没した戦国時代の武将です。彦六、美濃守を称し、知楽斎道可と号しました。太田資家の子であり、太田資顕、太田資正らの父として知られています。

生涯

資頼は扇谷上杉氏に仕えていましたが、大永4年（1524年）2月に北条氏綱に寝返り、岩付城を攻め落としました。この際、城主であった渋江右衛門大夫を討ち取っています。しかし、同年7月には扇谷上杉氏の援軍である甲斐武田氏に岩付城を攻められ、扇谷上杉氏に降伏し、帰参しました。

太田氏による岩付城支配は、文献上は大永4年が最初とされています（大永2年（1522年）2月の奪取とする異説もあります）。また、太田氏の嫡流は資頼の従兄弟もしくは兄とみられる太田永厳（備中守）が継いだと考えられています。資頼も永厳の息子である源六に娘を嫁がせており、大永年間にこの系統の断絶に伴って資頼の系統が浮上したとする見方があります。

北条氏綱は、かつての岩付城主であった渋江氏の一族、渋江三郎を後援し、岩付城を攻めました。大永5年（1525年）2月には約3千人の戦死者を出し、岩付城は落城。資頼は足立郡石戸城に退きました。その後、享禄4年（1531年）9月には渋江三郎を討ち取り、岩付城を奪回しています。石戸城は父・資家が建立したとされる比企郡三保谷郷の養竹院、そして河越城とも近いことから、この付近一帯が資家の頃からの所領であったと推定されています。

天文2年（1533年）に隠居し、嫡子である資顕に家督を譲りました。天文5年（1536年）4月20日に53歳で死去。法名は寿仙院殿智楽道可庵主。

養竹院に残された資頼の位牌の年紀が「天文五丙午四月廿日」とあることから、実際には天文15年（1546年）4月20日に発生した河越城の戦いで資顕（資時）が北条氏についたことに憤って自害したとする説もあります。

参考文献

黒田基樹『扇谷上杉氏と太田道灌』（岩田書院、2004年）ISBN 9784872943269
黒田基樹「岩付太田氏の系譜と動向」（黒田 編『論集戦国大名と国衆12 岩付太田氏』（2013年、岩田書院）総論）

もう一度検索