太田雅音

太田雅音（おおた まさね）氏は、1985年1月28日に大阪府で生まれた日本の音楽家です。ヴァイオリニストとして早くから頭角を現し、後に指揮者へと活動の軸を移して国際的な舞台で活躍しています。

生い立ちと教育

音楽家のご両親のもとで育ち、3歳でヴァイオリンを始めました。大阪時代には工藤千博氏や小栗まち絵氏に師事。同門には長原幸太氏、神尾真由子氏、木嶋真優氏らがいました。幼少の頃から数々のコンクールで優勝・入賞するなど、早期から才能を示しました。

東京藝術大学附属高校を経て東京藝術大学へ進学し、在学中は堀正文氏に師事。ヴァイオリニストとして研鑽を積みました。その後、指揮の道を志し、ドイツのドレスデン音楽大学大学院指揮科に進学。ゲオルグ クリストフ ザンドマン教授に師事し、2014年に修了しました。修了論文は「ブルックナーの交響曲における和声と転調について」でした。

ヴァイオリニストとして

藝大在学中から小澤征爾音楽塾などでコンサートマスターを務めるなど、精力的に演奏活動を展開しました。

2006年4月、21歳という若さで日本センチュリー交響楽団のコンサートマスターに就任。2011年3月まで約5年間、オーケストラの中心的な存在として貢献しました。

サイトウキネンオーケストラや東京オペラの森にも参加し、世界的な指揮者や演奏家たちと共に音楽を創り上げる貴重な経験を積みました。

指揮者としての活動

2007年よりロームミュージックファンデーションの指揮セミナーへの参加が、太田氏の指揮への転向の契機となりました。小澤征爾氏、湯浅勇治氏、三ツ石潤司氏らに師事。特に小澤氏からは指揮研修生に選ばれ、集中的な指導を受け、サイトウキネンフェスティバルではアシスタント指揮者も務めました。

2010年秋からは活動拠点をドイツに移し、指揮者として本格的に道を歩み始めました。ミュンヘンやドレスデンで研鑽を積み、クリスティアン ティーレマン氏のリハーサルを聴講するなど、巨匠から直接的な薫陶を受けました。ティーレマン氏や彼が率いるオーケストラの楽団員との深い交流は、太田氏の音楽観に大きな影響を与えています。

指揮者として国際コンクールでも顕著な実績を上げています。2012年フィッテルベルク国際指揮者コンクールでの最優秀日本人指揮者賞受賞に始まり、2017年ブカレスト国際指揮者コンクール第3位、2021年アンタル ドラティ国際指揮者コンクール特別賞、2023年フェリト・チュジュン国際指揮者コンクール第3位など、主要なコンクールで連続して入賞を果たし、国際的な評価を確立しています。

日本国内では、主要なオーケストラとの共演を重ねています。

• - 広島交響楽団
• - 京都市交響楽団
• - 兵庫芸術文化センター管弦楽団
• - 日本センチュリー交響楽団
• - 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
• - 九州交響楽団
• - 静岡交響楽団

テレビ番組「題名のない音楽会」では、東京フィルハーモニー交響楽団や東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団を指揮し、その存在を広く知られるようになりました。

著名な音楽家との協働経験も豊富です。2015年10月にはダニエル ハーディング氏のアシスタント指揮者として、同年12月にはヴァイオリニストのマキシム ヴェンゲーロフ氏と共演しています。

海外での活動も積極的で、ルーマニアやトルコのオーケストラに客演。2019年4月には、ウィーン楽友協会大ホールで演奏会を成功させ、ウィーンデビューを果たしました。

現在

2025年4月より、株式会社パシフィック・コンサート・マネジメント所属アーティストとして、今後のさらなる飛躍が期待されています。

太田雅音氏は、ヴァイオリニストとしての確かな基礎と感性、そして指揮者としての国際的な経験と研鑽を融合させ、多角的な才能を持つ音楽家として、国内外の音楽シーンで活躍を続けています。

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