太鼓の達人 タタコンでドドンがドン

家庭用ゲーム機で太鼓の達人を体験！ 『太鼓の達人 タタコンでドドンがドン』

2002年10月24日、ナムコ（現バンダイナムコエンターテインメント）より、家庭用ゲーム機向けに発売された『太鼓の達人 タタコンでドドンがドン』。アーケード版で人気を博したリズムゲームが、家庭用ゲーム機でプレイできるようになった、シリーズ初の家庭用作品です。

本作最大の特徴は、なんといっても太鼓を模した専用コントローラー「タタコン」です。タタコンを使用することで、アーケード版と同様の臨場感あふれる演奏を楽しむことができます。もちろん、通常のゲームコントローラーでもプレイ可能です。

ゲーム内容は、アーケード版をベースに、家庭用ならではの要素が追加されています。アーケード版でお馴染みの演奏モードに加え、一定数の曲を連続演奏する「サバイバルモード」や、100メートル走などのミニゲームも収録。これにより、単なるリズムゲームとしてだけでなく、幅広い年齢層が楽しめる内容となっています。

開発秘話：タタコン誕生秘話

アーケード版の稼働から半年後、家庭用ゲーム機への移植が決定。そして、開発チームは大きな決断を下します。それは、太鼓型コントローラー「タタコン」の導入です。

当初、販売部門に提出されたタタコンの試作品は、真っ白な模型でした。そのため、販売部門の反応はいまひとつでしたが、開発チームは改良を重ね、試作品は次第に本物の太鼓に近づいていきます。その結果、社内での企画への理解も深まり、タタコンの導入は現実のものとなりました。

家庭用ゲーム機の特性を考慮し、高価なソフトを長く楽しめるよう、アーケード版にはないミニゲームなども追加されました。

ストーリー：和田どん＆和田かつの上京物語

物語は、2000年の春から始まります。伝説的な太鼓達人が作り上げたふたつの和太鼓、和田どんと和田かつ。彼らは日本中に和太鼓の魅力を広めるべく、東京を目指して上京します。

アーケードゲーム『太鼓の達人』を作り、多くの人に太鼓の魅力を伝えてきた二人。しかし、彼らはさらに大きな夢を抱きます。「もっと多くの人に太鼓の魅力を知ってもらいたい！」。その夢を実現するため、彼らは家庭用ゲーム機への進出を決意するのです。

楽曲：懐かしの楽曲から人気曲まで

本作には、多くの楽曲が収録されています。懐かしのゲームミュージックから、当時の人気アニメソング、そしてクラシックまで、幅広い世代が楽しめる選曲が特徴です。

主題歌は、高橋洋子さんが歌う「虹色・夢色・太鼓色」。もちろん、ゲーム内でも演奏可能です。

収録楽曲の一例は以下のとおりです。

どんちゃん音頭
すすめ！ドリラー
どんちゃんえかき歌
クラシック：新世界より
ドラえもん音頭
Mr.Moonlight～愛のビッグバンド～
STEPPING WIND
PIECES OF A DREAM
楽しい太鼓道場（隠し曲）
おさかな天国
炭坑節
ハム太郎とっとこうた
もじぴったんメドレー
ミニモニ。テレフォン！リンリンリン
LOVEマシーン
ハロー！どんちゃん
虹色・夢色・太鼓色
マッピー音頭
ルパン三世のテーマ '78
夏祭り
traveling
Marionette-マリオネット--
ガッチャマンの歌
サザエさん一家
ラブリーX（隠し曲）
ゴーゴー・キッチン（隠し曲）
クラシックメドレー (ロック編)（隠し曲）
太鼓侍（隠し曲）
* 風雲！バチお先生（隠し曲）

大きな反響と評価

本作は発売と同時に大きな話題となり、アーケード版と同様の演奏体験を楽しめる点が特に高く評価されました。

特にタタコン同梱版は発売後すぐに品切れ状態となり、タタコンはオークションなどで高値で取引されることもありました。

その高い評価は、数々の賞を受賞したことで証明されています。2002年の第6回日本ゲーム大賞優秀賞、2003年の第7回日本ゲーム大賞最優秀賞、そして2004年度グッドデザイン賞を受賞。ゲームソフトがグッドデザイン賞を受賞したのは、本作が初めてでした。

ゲームライターのまりメラ氏は、本作について「当時、楽曲の選定についてはあまり意識していませんでしたが、今振り返ると老若男女が楽しめる選曲だったと思います。アーケード版と同様のモードに加え、サバイバルモードやミニゲーム集があったおかげで、飽きることなくプレイできました」と語っています。

『太鼓の達人 タタコンでドドンがドン』は、多くのユーザーに太鼓の楽しさを届け、家庭用ゲーム機におけるリズムゲームの新たな可能性を示した、記念碑的な作品と言えるでしょう。

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