夫馬基彦

夫馬 基彦について

夫馬基彦（ふま もとひこ）は、日本の著名な小説家であり、連句人としても知られています。彼は1943年12月2日に愛知県一宮市で生まれました。彼の妻はノンフィクション作家の田村志津枝で、多様な文学的背景を持つ家庭に育ったことが彼の作家としてのキャリアに影響を与えています。

学歴と経歴

夫馬は愛知県立旭丘高等学校を卒業後、早稲田大学の第一文学部で仏文学を専攻しましたが、中退しました。彼の作家としてのキャリアは1967年に始まり、フランスのパリへと向かったことがきっかけです。その後、インドを放浪し、異国の文化や価値観に触れることで独自の視点を育んでいきました。

夫馬は1977年に小説『宝塔湧出』で中央公論新人賞を受賞し、その名を広めました。その後も彼は文学活動を続け、『第8次早稲田文学』の編集や選考にも関与しました。1987年から1988年にかけては、彼の作品『緑色の渚』『金色の海』『紅葉の秋の』が3度も芥川賞候補に選ばれるなど、多くの注目を集めました。

1997年からは日本大学芸術学部文芸学科助教授として教壇に立ち、2002年からは教授として小説と連句を担当しました。2010年には定年退職を迎え、その間に数多くの学生たちに影響を与えました。また、2003年から2004年には日本ペンクラブ電子文藝館の副委員長を務め、2005年からは獄中作家法委員会の副委員長としても活動しました。さらに、2007年からは獄中作家・人権委員会の副委員長として、人権問題に対する意識を高めるための活動も行っています。

主な著書

夫馬基彦の著作は多岐にわたります。彼の著書には、以下のような作品が含まれています：

• - 『熱と瞑想 あるインド紀行』 （鳥書房、1973年）
• - 『印度巡礼』 （ジャパン・パブリッシャーズ、1978年）
• - 『塔と花そしてインド』 （ジャパン・パブリッシャーズ、1978年）
• - 『夢現』 （「宝塔湧出」収録、中央公論社、1980年）
• - 『美術館のある町へ』 （創隆社、1984年）
• - 『楽平・シンジ そして二つの短篇』 （福武書店、1985年）
• - 『金色の海』 （福武書店、1988年）
• - 『紅葉の秋の』 （福武書店、1988年）
• - 『六月の家』 （福武書店、1989年）
• - 『菊とヒッピーと孤独』 （福武書店、1990年）
• - 『風の塔』 （講談社、1991年）
• - 『美しき月曜日の人々』 （講談社、1994年）
• - 『恋の呼び出し、恋離れ』 （連句小説、中央公論社、1995年）
• - 『籠抜け・天の電話』 （集英社、2001年）
• - 『按摩西遊記』 （講談社、2006年）
• - 『オキナワ大神の声』 （飛鳥新社、2009年）

彼の作品は、文学的表現と異文化の融合を試みたものであり、読み手に深い感動や思索をもたらします。夫馬基彦の独自の視点と豊かな語り口は、今もなお多くの読者や文学愛好者に影響を与え続けています。

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