奥中山高原駅

奥中山高原駅について

奥中山高原駅（おくなかやまこうげんえき）は、岩手県二戸郡に位置するIGRいわて銀河鉄道の駅です。この駅は、単式ホーム1面1線および島式ホーム1面2線を有する地上駅で、合計2面3線のホームで構成されています。特に注意が必要なのは、2番線が待避線として機能しており、現在は旅客列車がそのまま発車することが多く、貨物列車の特別な運用は行われていません。駅舎内には出札窓口が設けられており、硬券入場券や乗車券を購入することができます。

駅の歴史

駅の歴史は1891年に始まり、日本鉄道の中山駅として開業。1906年には国有化され、官設鉄道東北本線の一部となりました。その後、1915年に現在の奥中山駅に改称されましたが、この改名には興味深いエピソードがあります。当初の「陸奥中山」ではなく「奥中山」となったのは、改名手続き時に「陸」の字を書き落としてしまったことによるものと伝えられています。

1940年には駅舎の改築も行われ、1971年に貨物取扱が廃止され、1985年には完全に無人化。管理がJR東日本に移行したのは1987年4月1日ですが、2002年12月にはIGRいわて銀河鉄道の駅に改称されています。そして、駅の名物とも言える犬の名誉駅長「マロン」が登場したのは2008年のことです。

名誉駅長たち

「マロン」は、犬のヨークシャー・テリアであり、2001年8月19日に誕生し、2009年8月29日の死去まで、駅の人気者として親しまれていました。彼は特製の制服を着用し、顔写真入りのグッズも販売されるほどの人気を博しました。マロンの死後、駅の委託駅員が新たに「マック」という犬を引き取り、彼も名誉駅長としての道を歩み始めました。マックもまた、飼い主や駅員と共に駅で接客を行い、2015年には“駅長見習い”として認知されましたが、残念ながら2017年に交通事故で命を落としました。

このように、奥中山高原駅はどこか心温まるエピソードを抱えています。名誉駅長たちは、駅の魅力を一層引き立てる存在であり、多くの人々に愛されてきました。

利用状況

IGRいわて銀河鉄道による2023年度のデータによれば、1日の平均乗降人員は287人とされています。この数値は、駅周辺の地域住民や観光客にとって、奥中山高原駅が重要な交通の便であることを示しています。駅周辺の環境や魅力も、訪れる人々にとって大きな要素となっています。

まとめ

奥中山高原駅は、豊かな歴史と愛らしい犬たちの存在で、地域に親しまれ続ける駅です。インフラとしての機能だけでなく、心温まるエピソードが詰まったこの駅は、訪れる価値があります。是非、旅の一環としてこの駅を訪れてみてはいかがでしょうか。

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