奥丸山

奥丸山（おくまるやま）

奥丸山は、中部山岳国立公園内の飛騨山脈（北アルプス）に位置する標高2,439mの山です。山体はすべて岐阜県に属しており、槍ヶ岳から樅沢岳へと続く西鎌尾根の途中、千丈沢乗越から派生する中崎尾根上にあります。

概要

奥丸山は、その山頂からの眺望の素晴らしさで知られています。東側には槍ヶ岳や穂高岳の雄大な姿が、西側には笠ヶ岳、遠くには乗鞍岳まで見渡せる360度の大パノラマが広がります。特に、東側からは北穂高岳の滝谷を真正面から望むことができ、その迫力ある景観は訪れる人々を魅了します。

登山

奥丸山への登山ルートは、主に以下の3つがあります。

右俣谷ルート（槍平小屋からのルート）

従来からの主な登山道で、槍平小屋から中崎尾根へと登るルートです。かつては、奥丸山頂が千丈沢乗越方面への登山道から外れていたため、訪れる登山者は比較的少なかったです。

左俣谷ルート（わさび平からのルート）

2005年秋に新設された登山道で、わさび平から奥丸山へアクセスできるようになりました。このルートの開通により、奥丸山から槍ヶ岳への登山道が繋がり、新穂高温泉 - わさび平 - 奥丸山 - 千丈沢乗越 - 槍ヶ岳という新たな縦走ルートが誕生しました。このルートの登場により、奥丸山は槍ヶ岳登山ルート上の重要な地点となり、多くの登山者が訪れるようになりました。

新穂高温泉からの中崎尾根バリエーションルート

冬期などに、新穂高温泉から中崎尾根の稜線を辿り、中崎山を経由して奥丸山へ至るバリエーションルートも利用されています。このルートは、積雪期ならではの静かな山行を楽しむことができる一方で、相応の登山経験と装備が必要です。

周辺の山小屋

奥丸山周辺には、槍ヶ岳や穂高岳などへの登山拠点となる山小屋がいくつかあります。

周辺の主な山

奥丸山の周辺には、飛騨山脈を代表する山々が連なっています。詳細は、飛騨山脈の記事を参照してください。

関連項目

飛騨山脈
中部山岳国立公園

参考文献

『ヤマケイ　アルペンガイド　上高地・槍・穂高』山と渓谷社、ISBN 4-635-01319-7
『分県登山ガイド　岐阜県の山』山と渓谷社、ISBN 4-635-02180-7、P102
* 『槍ヶ岳・穂高岳 上高地 2010年版 (山と高原地図 37)』昭文社、ISBN 978-4-398-75717-3

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