樅沢岳

樅沢岳（もみさわだけ）

概要

樅沢岳は、岐阜県高山市と長野県大町市にまたがる飛騨山脈に位置する標高2,755mの山です。山域は中部山岳国立公園の特別保護地区に指定されており、豊かな自然が保護されています。

北には双六岳、三俣蓮華岳へと続く国境尾根（西鎌尾根）が連なり、南には槍ヶ岳、穂高岳へと続いています。西には笠ヶ岳へと続く稜線が延びています。新穂高温泉から小池新道を登ると、双六岳と樅沢岳の間に出るため、各方面への登山道が交差する地点となっています。そのため、近くには双六小屋が建てられています。東方向には、高瀬川源流部を隔てて常念山脈の峰々がそびえています。

山頂からは、槍ヶ岳までの西鎌尾根が一望でき、絶好の撮影スポットとして人気を集めています。樅沢岳は、裏銀座縦走コースの途中に位置するため、多くの登山者が通過しますが、この山自体を登山目標とする登山者は比較的少ないです。しかし、新穂高温泉から双六岳とセットで登る登山者もいます。

地形

樅沢岳は、西鎌尾根の途中の、双六小屋に近い位置にあります。山頂は標高点であり、三角点は設置されていません。南西には、三等三角点（標高2,674.11m）のある左俣岳があります。また、蒲田川の支流である左俣谷、高瀬川の支流である湯俣川、さらにその支流であるモミ沢の最上流部に位置しています。湯俣川の支流である樅沢の最上流部は、双六岳となっています。

樅沢岳火山

樅沢岳は、中期更新世に活動した火山でもあります。樅沢岳南方の小岩体である水鉛谷火道を給源とし、約40万～30万年前に総噴出量74 km3 DREに達する珪長質マグマの大噴火が発生しました。この噴火によって、奥飛騨火砕流堆積物や、広域テフラである大町Apmテフラ群（Tky-Ng1）が噴出されました。その後の飛騨山脈の激しい隆起運動によって、山体は残存していません。

登山形態

樅沢岳は、双六小屋から西鎌尾根ルートを登った最初のピークです。そのため、西鎌尾根を利用した縦走時に通過することが多く、また、双六小屋利用者がご来光や夕景を見るために往復する場合もあります。

近隣の山小屋

双六小屋
鏡平山荘
わさび平小屋
槍ヶ岳山荘

周辺の山

槍ヶ岳
双六岳
左俣岳
弓折岳
硫黄岳

参考文献

『日本百名山地図帳 2008年版』 山と溪谷社、ISBN 978-4-635-53055-2

関連項目

日本の山一覧 (高さ順)・第79位
中部山岳国立公園

外部リンク

国土地理院 地図閲覧システム 2万5千分1地形図名：三俣蓮華岳(高山)
槍ヶ岳山荘
* 双六小屋

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