奥会津博物館

奥会津博物館について

奥会津博物館は、福島県南会津町にある博物館で、奥会津地方の貴重な伝統文化を保存・伝承することを目的としています。この博物館は、有形の民俗文化財を中心に展示・収蔵しており、地域の歴史と文化を深く理解するための重要な拠点となっています。

歴史

1994年、旧田島町総合歴史民俗文化財保存施設条例に基づき、「奥会津地方歴史民俗資料館」として開館しました。その後、2004年には登録博物館となり、2009年に現在の「奥会津博物館」へと名称を変更しました。この変遷は、博物館が地域文化の保存と継承において重要な役割を果たしてきたことを示しています。

収蔵品と展示

博物館の主な収蔵品は、国の重要有形民俗文化財に指定されている「奥会津の山村生産用具及び民家（馬宿）」です。これは、山村で使われていた様々な道具や、かつて下野街道沿いにあった馬宿を移築復元したもので、5,058点1棟から構成されています。

もともとは1982年に「奥会津の山村生産用具」として4,871点が指定され、1990年に馬宿と関連用具187点が追加指定され、現在の名称となりました。博物館には、これらの文化財を含む約23,000点の民俗資料が収蔵されており、そのうち約3,000点が展示されています。

展示は、奥会津地方の地域的特徴を踏まえ、「山・川・道」というテーマで区分されており、山仕事、農業、漁撈、運搬など、それぞれの生活に密接に関わる用具が系統立てて展示されています。屋外展示では、国指定の文化財のほか、県・町指定の文化財である移築復元民家を見学できます。

主な収蔵・展示品

奥会津の山村生産用具及び民家（馬宿）: 国の重要有形民俗文化財。農具、山樵用具、養蚕用具、染織用具、木地用具など、多岐にわたる山村の生産用具と、馬宿の建物自体が含まれます。
今泉の馬宿（旧大竹家住宅）: 下野街道沿いにあった馬宿を移築復元したもので、1801年に建てられた曲り屋形式の茅葺き屋根が特徴です。内部には、馬を繋ぐ馬屋や、馬を引く人たちが宿泊した部屋が再現されています。
旧猪股家住宅: 福島県指定重要文化財。
染屋（旧杉原家住宅）: 南会津町指定重要有形民俗文化財。藍染め体験が可能です（予約・有料）。
旧山王茶屋（旧渡部家住宅）: 南会津町指定重要文化財。古民家レストランとして活用されています。
その他: 炭焼小屋、木地小屋、細井家郵便資料など、地域の歴史と生活を伝える様々な資料が展示されています。

利用情報

開館時間: 午前9時から午後4時まで
休館日: 年中無休
入館料: 大人300円、高校生200円、小中学生100円（団体割引あり）
交通: 会津鉄道会津線会津山村道場駅から徒歩約15分

付属施設

旧南会津郡役所（福島県指定重要文化財）
奥会津博物館・舘岩館
奥会津博物館・伊南館
奥会津博物館・南郷館

奥会津博物館は、地域の歴史と文化を深く理解し、体感できる貴重な場所です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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