奥宮種男

奥宮 種男（おくみや たねお）氏は、1949年4月8日に福岡県小倉市（現在の北九州市）で誕生した元プロ野球選手、そして指導者です。

九州工業高等学校で捕手としてプレーし、同期の桑野議投手とバッテリーを組みました。3年次の1967年には、夏の甲子園福岡県予選で決勝まで進出しましたが、小倉工業高校の横山晴久投手に0対3で完封負けを喫し、惜しくも甲子園出場は叶いませんでした。

同年秋のドラフト会議で3位指名を受け、サンケイアトムズに入団。プロ入り1年目の1968年4月7日、中日ドラゴンズ戦で初めて一軍の試合に出場し、田中勉投手からプロ入り初安打となる二塁打を記録しました。2年目の1969年には、4月26日の大洋ホエールズ戦で島田源太郎投手からプロ初本塁打を放ち、この年は打率.308をマーク。これは自身のプロ野球人生で唯一となる打率3割超えのシーズンとなりました。チーム名がアトムズ、ヤクルトアトムズと変更される中でプレーを続け、1970年にはジュニアオールスターゲームに出場。1971年以降は、正捕手である大矢明彦選手の控えとして一軍での出場機会を増やし、チームに貢献しました。1972年には29試合で先発マスクをかぶり、中にはいわゆる「当て馬」としての出場もありました。1973年7月14日の広島東洋カープ戦では、藤本和宏投手からプロ入り最後となる本塁打を記録。この試合では、エース松岡弘投手の延長10回完投勝利をリード面で支える役割も果たしています。しかし、1974年には若手の八重樫幸雄捕手が台頭し、奥宮選手の出場機会は減少していきました。

1978年のシーズンが開幕する前、金銭トレードによってクラウンライターライオンズへ移籍します。移籍1年目の1978年は、若菜嘉晴選手の控え捕手として自己最多となる53試合に出場しました。しかし、球団名が西武ライオンズへと変更された1979年には、田淵幸一選手や野村克也選手といった実績ある捕手がチームに加わったことで、奥宮選手の出場機会は激減します。この年の5月には一時的に先発出場が増加する時期もありましたが、チームの成績も上がらず、自身の打撃も1割台と低迷が続いたため、6月以降は再び出場が大幅に減りました。6月16日の南海ホークス戦で代走として起用されたのが、自身にとって最後のプロ野球公式戦出場となりました。その後は二軍に降格し、そのままシーズンを終えることになります。1980年には一軍、二軍ともに試合に出場する機会はなくなりましたが、チームの活動を手伝いながらコーチングについて学びました。そして、この年限りで現役生活に終止符を打ちました。

現役を引退した後も西武ライオンズに残り、指導者・チームスタッフとして長く球団を支えました。一軍バッテリーコーチ補佐（1981年）、二軍バッテリーコーチ（1982年～1984年、1993年）、二軍バッテリーコーチ補佐（1985年）といった指導者としての役職に加え、1986年から1990年にかけてはチームスタッフとして従事しました。このチームスタッフという役職は、当時の管理部長であった根本陸夫氏の構想のもと新設された部署であり、奥宮氏はその責任者として、西武ライオンズの黄金時代を裏方として支える重要な役割を担いました。1991年からは一軍バッテリーコーチを務め、在任期間中にチームの3年連続リーグ優勝、そして日本シリーズ優勝に貢献しています。1994年にはフロント業務に携わった後、西武ライオンズを退団しました。

西武退団後は、阪神タイガースで二軍バッテリーコーチ（1995年～1997年）、日本ハムファイターズで二軍バッテリーコーチ（1999年）を歴任し、引き続きプロ野球界で後進の育成に携わりました。

プロ野球界を離れてからは、福岡県宗像市にある宗像大社で職員として勤務しました。また、2014年10月からは高校野球の指導者としても活動を開始し、東筑紫学園高校硬式野球部の監督に就任。2018年3月に監督を退任しました。後任は古賀敬悟氏です。奥宮氏は選手、コーチ、スタッフとして長きにわたり野球界に貢献し、多岐にわたる経験を積みました。

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