奥山政敬

奥山政敬（おくやま まさよし）

奥山政敬は、弘化2年（1845年）に生まれ、大正5年（1916年）に没した、日本の司法官、文部官僚です。旧薩摩藩士であり、明治初期までは嘉一郎と名乗っていました。彼は、教育者として官立大阪英語学校（現在の京都大学の前身の一つ）および官立大阪師範学校の校長を務め、その後、法曹界に転身し、松山、名古屋、大阪の地方裁判所長、広島控訴院長を歴任。さらに、貴族院議員にも勅選されています。

生涯

薩摩藩士・奥山政恒の次男として生まれた奥山は、幼少期に薩摩藩開成所で学びました。明治維新後、英語学者・何礼之が大阪に私塾を開くと、鮫島武之助らと共に学びました。明治2年（1869年）には、新政府が設立した大学校（後の大学）に少得業生兼少寮長として奉職し、その後、中寮長兼中得業生、大得業生兼大舎長へと昇進しました。明治3年（1870年）には大学出仕となり、大阪開成所分局・理学所の管理者も務めています。

明治4年（1871年）に文部省が設置されると、文部省出仕として書籍課や用度課の事務を担当。一時免職となるも、すぐに文部省に復帰し、第四大学区第一番中学の学長に就任。その後、学校名が変遷する中で、大阪英語学校の校長を明治8年（1875年）まで務めました。また、大阪師範学校の校長も兼務しています。

明治9年（1876年）に裁判官に転身し、東京裁判所千葉支庁長などを経て、松山裁判所長、大審院評定官を歴任。明治23年（1890年）には名古屋始審裁判所長、大阪地方裁判所長を歴任しました。その後、函館控訴院検事長、大審院検事、広島控訴院検事長を経て、明治26年（1893年）に広島控訴院長に就任しました。明治34年（1901年）には貴族院議員に勅選され、判事を退職。

退職後は貴族院議員として活動する傍ら、実業界にも進出し、明治42年（1909年）に田川炭坑株式会社を設立し、取締役社長に就任しました。大正5年（1916年）に東京の自邸で亡くなりました。

親族

奥山家は薩摩藩士の家系であり、妻は洋学者の市川兼恭の娘。子供たちも、台湾総督府事務官、朝鮮総督府技師、法学者など、多方面で活躍しています。

栄典

奥山政敬は、長年の功績により、数々の位階と勲章を授与されています。正七位から従三位まで昇進し、勲二等瑞宝章を受章するなど、その功績は高く評価されています。

著作

教育者として、「大坂師範学校年報」「大坂英語学校年報」を執筆しました。

奥山政敬は、教育、司法、政治、実業と多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に大きく貢献した人物です。彼の足跡は、現代においても学ぶべき点が多く、その功績は永く記憶されることでしょう。

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