奥岳川

奥岳川（おくだけがわ）

概要

奥岳川は、大分県豊後大野市を流れる、大野川水系に属する一級河川です。その源を祖母山系に発し、豊後大野市の緒方、清川、三重地区を潤しながら、旧石器時代の遺跡である岩戸遺跡付近で大野川へと合流します。この川は、九州でも特に美しい清流としてその名を知られています。

奥岳川の上流部には、川上本谷、ウルシワ谷、三枚谷といった深い谷が刻まれており、さらに下流に進むと、川上渓谷、滞迫峡（たいざこきょう）といった美しい渓谷が広がります。これらの渓谷は、奥岳川の清らかな流れと周囲の自然が織りなす、息をのむような景観を作り出しています。

歴史

この川の歴史を語る上で欠かせないのが、かつて上流に存在した三菱金属尾平鉱山の存在です。1954年（昭和29年）まで、この鉱山では錫や銅などが採掘されていました。しかし、この鉱山活動は、昭和40年代前半まで鉱毒汚染という深刻な問題を引き起こしました。鉱山は閉鎖されましたが、その影響は長きにわたり、奥岳川の環境に影を落としました。

石造アーチ橋

清川町にある轟川との合流地点のすぐ上流には、二つの美しい石造アーチ橋が並んで架かっています。一つは1934年（昭和9年）に架けられた轟橋（とどろばし）、もう一つは1925年（大正14年）に架けられた出會橋（であいばし）です。轟橋のアーチの径間は32.1メートル、出會橋は29.3メートルを誇り、石造アーチ橋としては日本でそれぞれ第1位、第2位の長さを誇ります。

これらの橋は、単なる交通手段としてだけでなく、その美しい姿と歴史的価値から、多くの人々を魅了しています。奥岳川を訪れる際は、これらの橋の雄大な姿もぜひご覧ください。

奥岳川は、その清らかな流れと、豊かな自然、そして歴史が織りなす景観が魅力の河川です。上流の渓谷から、鉱山の歴史、そして石造アーチ橋まで、見どころ満載の場所です。

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