奥瀞

奥瀞（おくとろ）は、三重県熊野市と和歌山県東牟婁郡北山村にまたがる、北山川の上流に位置する渓谷です。この地域は、下流の瀞峡（瀞八丁）と上流の上瀞からさらに遡った、三重県熊野市神川町神上から和歌山県東牟婁郡北山村七色までの約28kmの区間を指します。

かつて奥瀞は、変化に富んだ渓谷美が延々と続く名勝として知られていました。しかし、ダム建設により、その景観の約70%が水没し、かつての姿は大きく変化しました。ダムによって出現した人工湖は、周囲の自然林と調和し、新たな景観美を生み出しています。現在では、この自然と人工物が共存する風景が再評価され、多くの人々を魅了しています。

所在地は、三重県熊野市紀和町小森から同市神川町神上までの北山川流域で、対岸の和歌山県東牟婁郡北山村の同区間も含まれます。この地域は、深い緑に覆われた山々と、湖面が織りなす静かで美しい風景が特徴です。訪れる人々は、四季折々の自然の美しさを楽しむことができます。

交通アクセスとしては、JR熊野市駅から北山村営バスに乗り、「おくとろ公園」行きで約1時間です。バスの便数は限られているため、事前に時刻表を確認することをおすすめします。

奥瀞は、かつての渓谷美が失われたという過去を持ちながらも、新たな自然美を創出しています。訪れる人々は、この場所で、自然の力強さと、人間の手が加わったことによる変化の両方を、感じることができるでしょう。静寂に包まれた湖畔を散策したり、周辺の山々を眺めたりすることで、心身ともにリフレッシュできる場所です。また、ダム建設によって変化した自然環境について考える良い機会にもなるでしょう。

奥瀞周辺には、温泉や宿泊施設もあり、ゆっくりと滞在することも可能です。熊野市や北山村の観光情報と合わせて、計画を立てるのも良いでしょう。奥瀞の風景は、訪れる季節や時間帯によっても変化するため、何度でも訪れたくなる魅力を持っています。自然と人工物が織りなす景観は、訪れる人々に、忘れられない思い出を刻むことでしょう。

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