奥田小由女

奥田小由女（おくださゆめ）

奥田小由女は、1936年11月26日に大阪府堺市に生まれた日本の著名な人形作家です。彼女の芸術的な活動は、1960年代から現在にかけて広範囲にわたるものであり、その卓越した才能は日本の現代工芸の世界で高く評価されています。夫は日本画家の奥田元宋で、二人とも文化勲章を受章していることから、夫妻としての業績も特筆すべきものです。

生い立ちと教育

小由女は一男二女の末っ子として誕生しましたが、幼少期に父を失い、母の故郷である広島県に移り住みます。高等学校を1955年に卒業後、東京に上京し、人形作家を目指す人生の幕を開けました。彼女は独学で技術を磨き、様々な展覧会に出品を重ねることで徐々にその名を広めていきました。

人形作家としての活動

小由女は1966年に光風会展で入選し、その後、1967年に新日展及び日本現代工芸美術展でも入選を果たします。この時期、彼女の表現力と技術が認められ、本格的なキャリアが始まることになります。1972年には日展で特選を受賞し、光風会の会員となり、その後も多くの受賞と同時に審査員としても活躍しました。特に1988年には文部大臣賞に輝き、1990年には日本芸術院賞を受賞しました。

重要な役職と受賞歴

彼女は1998年に日本芸術院会員となり、その後1999年には日展の常務理事、2002年には現代工芸美術家協会の副理事長に就任しました。2008年にはその業績が評価され文化功労者として顕彰され、2014年には日展の理事長に就任するとともに、三次市の名誉市民となりました。そして2020年には文化勲章を受章し、広島県の名誉県民にも選ばれました。

家族と文化的影響

小由女は、その夫である奥田元宋もまた文化勲章を受章しており、二人が共に文化勲章を受章したのは日本の歴史上初めての出来事です。彼女らの家庭は、芸術家同士の交流や意見の交歓が行われる場でもあったとされています。

最後に

奥田小由女の芸術は、独自の視点と繊細な技巧に裏打ちされた作品群によって、日本の伝統と現代美術の架け橋となっています。彼女の影響は次世代の作家たちにも多大な刺激を与え続けており、今後の活躍が非常に楽しみな人形作家です。また、彼女の業績に関する資料は、奥田元宋・小由女美術館などで見ることができます。

もう一度検索