奥田義人

奥田義人の生涯と業績

奥田義人（おくだ よしと、1860年7月31日 – 1917年8月21日）は、明治から大正時代にかけて、官僚や政治家としてだけでなく、法学者としても知られています。鳥取県に生まれ、幼少期から勉学に励み、東京大学法学部を卒業後、官界への道を歩み始めました。彼は法学博士の学位を持ち、さらには従二位、勲一等、男爵の称号を受けています。彼の号は「秋軒」とされています。

幼少期と学びの軌跡

奥田は鳥取県邑美郡栗谷町に生まれ、父・鉄蔵は鳥取藩士でした。幼名は留三郎で、彼は7歳の時、藩の儒者 坂田順蔵に弟子入りし、藩校に入学。ここで四書五経を読み進め、学問の基盤を築きました。その後、鳥取変則中学校に進学し、優れた成績を収めるとともに、幾度も級長を務めました。名古屋英語学校を経て上京し、勉学に励む奥田は、1877年に大学予備門に入学、次いで1880年に東京大学に進学。1884年には、優秀な成績で卒業しました。

官界への進出と政治活動

卒業後、奥田は伊藤博文の支援を受けて官界に進出します。彼の最初の役職は太政官御用掛で、憲法起草に関与しました。その後、農商務省参事官としてキャリアを築き、歴代内閣において特許局長や農商務次官など多くの重要な役職を歴任しました。

政治活動においては、明治36年の第8回総選挙で鳥取区と神奈川県横浜区から当選し、衆議院議員として活躍。さらに、明治41年には宮中顧問官に任命されています。そして、1913年に第1次山本内閣で文部大臣に就任し、鳥取県出身者初の大臣として注目されました。在任中には文部省の官制を改正し、宗教行政を新設の文部省宗教局に移行するなどの施策を行いました。

しかし、彼の内閣はシーメンス事件により総辞職。その後、中央大学の学長に就任し、学問の発展にも寄与しました。最終的には東京市長を務め、地元東京への貢献を果たしました。

健康の悪化と晩年

奥田は1917年に肝腫瘍で急逝しますが、彼の最後の一週間で男爵に叙爵され、その業績が称えられました。彼の死後、長男の奥田剛郎も貴族院に議員として名を連ねたように、家族からもその影響は続いています。

学問と著作

彼はまた、多くの著作を残しており、特に民法関連の著書が評価されています。代表作には『民法人事編』や『法学通論』などがあり、これらは法学教育において重要な教材となりました。

まとめ

奥田義人は明治・大正時代の日本において、教養人として、また政策実現に向けた実務家として多大な貢献を果たしました。彼の人生を通じて、日本の近代法学の進展や政治の発展に大きな足跡を残しました。彼の功績は現在も評価され、学問のみならず、政治や社会における重要な影響を与え続けています。

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