第1次山本内閣

第1次山本内閣

第1次山本内閣は、海軍大将の山本権兵衛が総理大臣に任命され、1913年2月20日から1914年4月16日までの約1年2か月間の間に日本の内閣を運営しました。この内閣は、明治から大正にかけての日本の政治において重要な位置を占めており、特に中央政界の力関係に大きな影響を与えました。

内閣の構成

この内閣は、山本権兵衛を首相とし、政友会の協力の元で組織されました。具体的には内閣書記官長や法制局長官も同日（1913年2月20日）に任命され、総力を上げて内閣の運営に当たりました。内閣の人事は、ほとんどが政友会に属するメンバーによって構成されており、実質的には政友会内閣と考えられます。

政治背景

供を突いたのは、1901年から1913年までの間に、日本の国政が藩閥と立憲政友会の連立政権によって安定的に運営されてきた背景です。桂太郎首相による第3次桂内閣の組閣を受け、立憲同志会の政治勢力が台頭したことが、政治的不安定をもたらしていました。特に1913年の大正政変の際には、政友会総裁の西園寺公望が山本権兵衛を新たな首相として推挙する際、与党と野党の権力バランスに変化が生じました。

主な政策

山本内閣の重要な政策の一つは、1913年度予算の提出です。この年度の予算は、議会が再開されるまでの間に素早く処理されなければならず、前内閣の予算案をそのまま提出する形となりました。特に、海軍の増艦計画に関して740万円が増額されたことに注目が集まりました。

また、軍部大臣現役武官制の改正も大きな政策の一つです。この規制により、陸海軍大臣は現役の大将か中将に限られていましたが、山本首相はこれを改正することを推進しました。この変更により、予備役及び後備役の任官が可能となり、軍部の政権への影響力が制約される一歩となりました。

主要な出来事

しかし、山本内閣の在任中には、シーメンス事件という大きな汚職スキャンダルが発生しました。この事件は海軍に関連するもので、内閣の信任を大きく揺るがすこととなりました。1914年にこの事件が公にされると、山本内閣とその支援基盤である政友会は多くの批判にさらされました。

このような状況の中で、1914年度予算案の審議が進んでいましたが、海軍予算に対する反発が強まり、最終的に3月には予算案が不成立となりました。その結果、山本内閣は総辞職に追い込まれることになりました。

結論

第1次山本内閣は、短い期間ながらも、日本の政治における重要な転換点となった内閣の一つでしょう。その政策や活動は、その後の日本政界に影響を与え、極めて重要な歴史的文脈を築くこととなりました。

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