奥田重栄

奥田 重栄の生涯

奥田重栄（おくだ しげよし）は、1872年8月13日に生まれ、1956年1月10日に逝去した日本の陸軍軍人です。彼は最終的に少将の階級を持つに至りました。

略歴

奥田は旧会津藩士である奥田鉱一郎の養子として成人し、陸軍幼年学校を経て陸軍士官学校に入校しました。彼は士官学校の5期生で、同期には菱刈隆や松江豊寿などがいました。1894年に陸軍歩兵少尉として任官され、歩兵第5連隊に配属されました。日清戦争が勃発すると彼はすぐに出征し、龍睡島に続いて虎山、寧海州、威衛海へと転戦しました。その後、台湾の基隆に上陸し、急水渓河口や王爺頭での激闘を経験しました。

日露戦争では、歩兵第37連隊第12中隊長として沙河会戦に参加し、ロシア軍を撃退しました。この戦闘では大怪我を負ったものの、軍人としての名を馳せることになります。

その後、歩兵第16連隊附中佐や福知山連隊区司令官を経て、1917年11月には歩兵第40連隊長に就任しました。この職を3年半務めた後、1921年4月に少将に昇進し、台湾第2守備隊の司令官として任務を全うしました。1924年には予備役に編入され、以降は京都に住まうことになります。また、当時の自宅には財団法人黒谷会津墓地保護会の京都支部が設立されました。彼の四男、重武もまた陸軍幼年学校に在籍していました。奥田はまた、稚松会のメンバーでもあります。1947年には公職追放指定を受けることになります。

奉公袋と大山雪中行軍

奥田が福知山連隊の司令官であったとき、彼は出征する軍人に必要な物品を準備するように訓示しました。この袋は「嗜袋」と呼ばれ、その後陸軍大臣である田中義一が知るところとなり、在郷軍人にも同様の準備を促しました。この結果、広く軍人が入営する際に利用されている「奉公袋」が誕生しました。

また、奥田はその任期中に、雪中行軍の研究を命じられ、大山への登山計画を立案しました。地元からは無謀な企画との反発を受ける中、自ら登山に参加し、無事に計画を成功に導きました。この成果は大正天皇に知られるところとなりました。

栄典

奥田はその功績により、1894年には正八位に叙任され、1940年には紀元二千六百年祝典記念章を授与されています。彼の生涯にわたる軍人としての活動は、日本の歴史に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

• - 小島一男『会津人物事典 (武人編)』歴史春秋社
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』 芙蓉書房出版
• - 福川秀樹『日本陸海軍人名辞典』 芙蓉書房出版

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