女屋町

女屋町

女屋町（おなやまち）は、群馬県前橋市の南東部に位置する一地域です。郵便番号は379-2163が割り当てられています。2013年時点のデータによれば、その面積は約0.77平方キロメートルとなっています。

地理

この地域は、前橋市内を流れる桃ノ木川の左岸に位置しています。町域内には、主要な河川として桃ノ木川と、その他に寺沢川が流れています。これらの河川は、地域の地形や景観に影響を与えています。

歴史

女屋町という地名は古くから存在しており、江戸時代頃には既にその名が見られます。近世においては、前橋藩の領地として歴史を重ねてきました。

特に、天正18年（1590年）に平岩親吉が前橋城主となって以降、江戸時代を通じてこの地域は前橋藩の支配下に置かれました。寛文8年（1668年）に編纂された「上野国郷帳」にも、「女屋村」として明確に記録されていることから、この時代には既に村としての形が確立されていたことが分かります。

近代に入ると、行政区画の再編が行われました。明治22年（1889年）4月1日の町村制施行に伴い、女屋村は天川大島村、上大島村、上長磯村、東上野村、野中村、下長磯村、小島田村、小屋原村、下大島村、笂井村、上増田村、下増田村、駒形新田といった近隣の13村と合併し、南勢多郡木瀬村の一部となりました。

その後、明治29年（1896年）4月1日には、南勢多郡と東群馬郡が統合されて勢多郡が誕生し、女屋を含む木瀬村は勢多郡所属となります。

現在の前橋市女屋町という形が成立したのは、昭和30年（1955年）4月1日のことです。この時、木瀬村の一部地域（天川大島、上大島、女屋、上長磯、東上野、野中）が前橋市に編入されたことにより、「前橋市女屋町」として新たな歴史を歩み始めました。

地名の由来

女屋町という地名には、興味深い言い伝えがあります。昔、この地域付近を利根川が流れていた頃、その岸辺に一軒の店がありました。この店は、主人や息子に先立たれた女主人が一人で切り盛りしており、人々からは「女屋」と呼ばれて親しまれていたといいます。やがて、利根川の流れが変わって川の跡地ができた際に、それまで分散していた集落がその跡地に移り住みました。この時、かつての「女屋」と呼ばれた店の名が、そのまま新しい集落の名前として引き継がれ、「女屋村」となったと伝えられています。

交通

女屋町には、現在、地域内に鉄道駅は存在しません。公共交通機関としては、路線バスが運行されています。永井運輸が運行する、前橋公園から前橋駅を経由して東大室へ向かうバス路線が町内を通っており、地域の南側を通る国道50号沿いにバス停留所が設置されています。

道路網については、町の南部を東西に貫く主要幹線として国道50号が走っています。一方、県道は町内を通過していません。

主な施設

町内には、いくつかの主要な施設が存在します。

萬福寺: 天台宗に属する寺院で、比原山宝珠院萬福寺と号します。地域の信仰の中心の一つとなっています。
桃川神社: かつて村社であった神社です。明治40年（1907年）に、地域の守り神であった諏訪神社と熊野神社が合祀されて成立しました。

これらの要素が組み合わさることで、女屋町は豊かな歴史と自然に彩られた地域となっています。

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