女教師 (1977年の映画)

映画『女教師』について

『女教師』（おんなきょうし）は、1977年に製作・公開された日本映画で、日活ロマンポルノの作品の一つです。監督は田中登、主演は清純派女優永島暎子で、清水一行の同名小説を原作として、中島丈博が脚本を手掛けました。永島にとっては本作が重要な出世作となり、1978年にはエランドール賞新人賞を受賞しました。さらにこの作品は「女教師シリーズ」として続編が8本作成されるほどの人気を誇り、漫画化もされたことが特徴的です。

本作は、古尾谷雅人の映画デビュー作としても知られています。映画公開から22年後の2000年4月には、永島と古尾谷が夫婦役を演じる連続テレビドラマ『永遠の仔』が放送されました。このドラマでは、夫が実の娘に対してレイプをするという衝撃的な内容が描かれました。

映画の公開時には、『肉体の悪魔』という作品が併映されていました。この『女教師』は、1977年に光文社から刊行されたものをベースにしています。原作小説は、教育現場の問題を含んだスリルとサスペンスに富んでおり、一般社会でも話題となり、10万部以上を売り上げました。著者の清水一行は、この作品が通俗的に受け取られることを懸念しており、実際映画化される際には、ポルノ映画としてのレッテルを貼られることに失望を示していました。

あらすじ

映画『女教師』の物語は、埼玉県所沢市の中学校で音楽教師を務める田路節子（25歳）が主人公です。ある日の放課後、彼女は音楽室で生徒たちに襲われ、強姦されるという衝撃的な事件に巻き込まれます。節子は、この暴行が学校一の問題児である江川秀雄によるものであると確信し、校長に報告します。しかし、学校側は節子の訴えを軽視し、さらには彼女自身が学校の中で孤立することになってしまいます。

同僚の影山徹治は節子のために正義を果たそうとしますが、学校の力関係や同僚たちの冷淡な態度に阻まれます。その結果、節子は流言によりスケープゴートとして扱われ、婚約者にも見放されるという最悪の状況に追い込まれてしまいます。事件は次第に闇に葬られ、彼女は失意の日々を送ることになります。

しかし、そんなある日、瀬戸山貢が引率する修学旅行中に、さらに衝撃的な殺人事件が発生するという展開が待ち受けています。この出来事は、学校全体を震撼させ、節子の過去のトラウマとも重なり合うことになります。

スタッフとキャスト

映画のスタッフには、監督の田中登をはじめ、製作の岡田裕、脚本の中島丈博などが名を連ねています。また、撮影は前田米造が担当し、美術を徳田博が手掛けました。音楽は蓼科二郎が担当し、編集は鈴木晄が行いました。

役者陣には、田路節子を演じる永島暎子のほか、瀬戸山貢を演じる砂塚英夫、影山徹治役の山田吾一などが名を連ねています。江川秀雄役には古尾谷雅人が起用されました。

関連作品

『女教師』はその後も人気を受けて続編が制作されました。1978年から1983年までに、『女教師 秘密』や『女教師 汚れた噂』など8作品が公開されています。このシリーズは、多くのファンに支持され、原作小説も再評価され続けています。

このように『女教師』は、日本映画界において特異な地位を占める作品として、長年にわたり語り継がれてきました。

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