女王 (皇族)

女王（じょおう）

女王は、皇族の一つの身位または称号を指し、一般的には皇族の女性に対して用いられる用語です。日本においては、女王に対する敬称は「殿下」となります。

現在の女王

現行の皇室典範によると、皇族は皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃、そして女王を含んでいます。この典範の第5条から第7条では、嫡出の皇子または嫡男系嫡出の皇孫は男性が親王、女性が内親王、三世代以下の嫡男系嫡出の子孫は男性が王、女性が女王と規定されています。また、王が皇位を継承した際、彼の兄弟や姉妹にあたる王および女王は特に親王および内親王として扱われます。

現在の女王は三名に限られており、成年に達する際に宝冠牡丹章が授与されます。英語においては、内親王と女王の区別がないため、両者とも「Princess」と表記されます。

歴史的背景

女王の概念は古く、古事記においても登場します。歴代皇族は、天皇の子孫である限り、男女にかかわらず「王」と称されていましたが、次第に「皇子」や「皇女」という表記が用いられるようになりました。特に律令制が整備されると、称号の明確な整理が行われ、男性皇族には「親王」、女性皇族には「内親王」や「女王」が付与されるようになりました。

天平元年（729年）の改革では、二世女王（天皇の曾孫）でも、全て皇親とみなされることが定められましたが、その後の皇親数の増加に伴い、桓武天皇の時代には規定が見直され、皇親の範囲が狭められました。

婚姻に関する制限

女王の婚姻相手には厳しい制限が設けられており、最初のルールでは女王が皇族以外の者と婚姻することが難しいことがありました。しかし、天平元年に詔勅によって規制が緩和されました。このものの、平安時代以降徐々に婚姻に関する制度も柔軟化し、特に藤原氏との関係が深まると、女王も臣下と婚姻するようになります。

明治時代に入ると、1889年に改正された皇室典範により婚姻後に女王の身位が保持されることが変わり、新たな条件が設けられました。その後、1947年の皇室典範改正により、女王の身位を持つ者が全員臣籍降下し、その後約34年間にわたって女王の身位を保持する者はいなくなりました。

結論

女王は日本の皇族制度において特有の地位を持ち、様々な歴史的な変遷を経て現在の制度が形成されました。女王の地位や役割は、時代とともに変化してきましたが、女性皇族としての重要な役割を果たしていることは変わりません。

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