如意金箍棒

如意金箍棒について

如意金箍棒（にょいきんこぼう）は、中国の古典文学『西遊記』における重要な武器です。物語の主人公である孫悟空がこの棒を使い、数々の困難に立ち向かいます。この棒は、神秘的な金属で作られており、両端には金色の箍が施されています。別名如意棒（にょいぼう）とも呼ばれ、孫悟空の強力な武器として知られています。

如意金箍棒の特性

如意金箍棒の重量はなんと約8トン、すなわち1万3500斤にも達します。この棒は、単に重いだけでなく、攻撃力も非常に高いとされています。敵に触れるだけで傷を負うほどの威力があり、当たれば即座に致命的な結果を招くと言われています。造ったのは太上老君であり、由緒ある背景を持っています。さらに、同じく『西遊記』に登場する猪八戒や沙悟浄の武器は、如意金箍棒の重さの約3分の1、5040斤に過ぎません。

この棒の最も特異な点は、持ち主の意志に従って自在に大きさを変えられるところです。普段はマッチ棒ほどに縮めて耳の中に隠して持ち歩いていますが、必要な際には引き延ばして長さ5メートル30センチ、太さは汁椀ほどにして使用することができます。さらに、最大の大きさでは上が三十三天、下が地獄の最下層まで届くとされ、まさに驚異的な存在です。

如意金箍棒の歴史

如意金箍棒は元々、古代の禹が黄河の治水に成功した際に、江海の深さを測るためのおもりとして使用されていました。その後、東海の竜王敖廣の地下蔵に「海の重り」として保存されていましたが、孫悟空が竜王から奪取し、彼の武器として冒険の間ずっと使うことになりました。

その後の如意金箍棒

『後西遊記』という続編では、孫悟空が花果山に置いていた如意金箍棒を、石の卵から生まれた猿、孫履眞が修行の末に使う場面があります。また、『南遊記』においても、玉皇上帝への宝比べで孫行者（孫悟空の別称）が如意鉄棒を献上するエピソードが描かれています。

現代の如意棒

如意金箍棒は、孫悟空が用いる武器として非常に有名であるため、多くの作品に登場します。それぞれの作品で如意棒の特性が引き継がれており、創作の中で何らかの形で発展・翻案が見られることもあります。特に、伸縮自在という特徴から、ペーパーローリングなどにもその名を付けられています。

如意金箍棒は、単なる武器を超え、中国文学の象徴的な存在となっており、今日でもその影響力を持ち続けています。

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