如月 (初代神風型駆逐艦)

駆逐艦 如月 (初代)

「如月（きさらぎ）」は、大日本帝国海軍が運用した駆逐艦の一つであり、初代神風型駆逐艦における四番艦としてその名が刻まれています。同時期には、同名の睦月型駆逐艦「如月」も存在したため、区別の目的で「如月 (初代)」あるいは「如月I」などと表記されることがあります。

建造の経緯

本艦は、神奈川県横須賀市にある横須賀海軍工廠にて建造されました。1904年（明治37年）9月10日に起工され、建造番号第4号として作業が進められました。翌1905年（明治38年）2月15日には「如月」と命名。同年9月6日には無事に進水し、同日付で正式に駆逐艦として海軍に類別されました。そして、同年10月19日、全ての工程を終えて竣工、就役を果たしました。

艦歴

就役後、「如月 (初代)」は様々な任務に従事しました。

第一次世界大戦: 戦争中の1917年（大正6年）には、南方方面へ派遣され、シンガポール周辺海域での警備活動にあたりました。
事故: 1918年（大正7年）1月21日、根岸沖において濃霧に見舞われた際に、汽船「宮島丸」と衝突事故を起こし、艦体に損傷を負いました。
シベリア出兵: 戦争終結後、シベリア出兵が開始されると、本艦は沿海州方面へ派遣され、その沿岸警備任務を担当しました。

その後の歩みと最期

時代が下り、艦艇の役割も見直される中で、1924年（大正13年）12月1日、「如月 (初代)」は駆逐艦籍から掃海艇へと類別を変更されました。その後も活動を続けましたが、艦齢を重ね老朽化が進行したことから、1928年（昭和3年）4月1日に海軍の除籍リストから外されました。同年7月6日には、仮称として「廃駆逐艦第10号」と呼称されることになります。詳細な調査の結果、老朽化が著しいことが確認されたため、同年10月12日付で正式に廃船として認められ、その約23年に及ぶ艦艇としての歴史に幕を閉じました。

歴代艦長等

「如月 (初代)」の歴代の指揮官は以下の通りです。

艦長

横尾尚 大尉：1905年10月12日 - 12月12日

駆逐艦長

横尾尚 大尉：1905年12月12日 - 1906年1月25日
大谷幸四郎 大尉：1906年1月25日 - 3月8日
粟屋雅三 大尉：1906年3月8日 - 1907年9月28日
宮野好二 大尉：1907年9月28日 - 1908年4月20日
角田貫三 大尉：1908年4月20日 - 7月31日 （兼務）
末次綱吉 大尉：1908年7月31日 - 9月25日 （兼務）
渡辺玉樹 大尉：1908年9月25日 - 11月20日
鈴木八百蔵 大尉：1908年11月20日 - 1911年6月28日
石川清 大尉：1911年6月28日 - 1912年3月1日
原完二 少佐：1912年3月1日 - 5月22日 （兼務）
中村熊三 大尉：1912年5月22日 - 1913年12月1日
若山昇 大尉：1913年12月1日 - 時期不詳
尾本知 大尉：1914年9月16日 - 12月1日
高橋雄三郎 大尉：時期不詳 - 1916年12月1日
田川薫 少佐：1916年12月1日 - 1917年2月7日
江口喜八 大尉：1917年2月7日 - 12月1日
高橋頴雄 大尉：1917年12月1日 - 12月15日
南雲忠一 大尉：1917年12月15日 - 1918年12月1日
斎藤二朗 大尉：1918年12月1日 - 1920年5月6日
佐藤立一 大尉：1920年5月6日 - 1921年2月10日
金子豊吉 大尉：1921年2月10日 - 1922年12月10日
古橋亀一 大尉：1922年12月10日 - 1923年11月1日
田村劉吉 大尉：1923年12月1日 - 1924年12月1日

掃海艇長

田村劉吉 大尉：1924年12月1日 - 1925年10月15日
渓口豪介 大尉：1925年10月15日 - 1926年8月1日
木村昌福 大尉：1926年8月1日 - 8月20日 （兼務）
* 島津信夫 大尉：1926年8月20日 - 1926年12月1日

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