妙行寺 (豊島区)

妙行寺の概要

妙行寺（みょうぎょうじ）は、東京都豊島区西巣鴨に位置する法華宗陣門流に属する仏教寺院です。山号は「長徳山」であり、本尊には大曼荼羅が祀られています。この寺は、豊かな歴史を有し、多くの重要な文化的背景を持っています。

歴史的背景

妙行寺の創建は、1604年（慶長9年）に遡ります。この年、日善によって江戸麹町清水谷に設立されました。その後、1624年（寛永元年）には四谷鮫河橋南町に移転し、1909年（明治42年）に現在の西巣鴨の地に移転しています。これにより、妙行寺はその歴史の中で幾度かの変遷を経てきました。

墓所と著名な人物

妙行寺には、いくつかの特別な墓所があります。その中でも特に有名なのは「お岩さん」として知られる於岩の墓です。お岩さんは、鶴屋南北の歌舞伎作品『東海道四谷怪談』に描かれた人物で、彼女が嫁ぎ先の田宮家に関わっていることから、この寺の檀家であったとされています。

また、この寺には、赤穂藩初代藩主浅野長直の夫人である高光院の墓所も存在します。元禄赤穂事件により浅野家は改易となり、彼女の永代供養が瑤泉院によって行われたという歴史があります。

さらに、元禄赤穂事件の発端に関与した浅野内匠頭長矩の弟で、「浅野大学」として知られる浅野長広の夫人、蓮光院の墓もここにあります。歴史を深く理解する上で、彼女たちの存在は欠かせません。

其他にも、常磐津の名人である林中の墓や、瑤泉院の供養塔、さらにはうなぎ供養塔もここに位置しています。これらのスポットは、政治的かつ文化的な名所としての妙行寺の重要性を示しています。

施設の位置

妙行寺は東京都豊島区西巣鴨四丁目8番28号にあります。この場所は、豊島区の中でも歴史に根ざした地域であり、訪れる人々にとっては静かな癒しの場ともなっています。

訪問者はこの寺の持つ歴史と文化に触れ、多くの歴史的出来事を感じることができるでしょう。また、法華宗に基づく教えや悲しい歴史を抱えた人々の物語にも耳を傾ける機会を得られることでしょう。

参考文献

本寺の詳しい情報は、伊藤栄洪、堀切康司著『豊島区史跡散歩 東京史跡ガイド16』から得ることができます。1994年の発行で、豊島区の歴史を探るための貴重な資料です。

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