妙高高原温泉郷

妙高高原温泉郷

新潟県の南西部に広がる妙高高原には、七つの異なる温泉地が点在しており、これらを総称して「妙高高原温泉郷（みょうこうこうげんおんせんきょう）」と呼んでいます。この温泉郷は、周囲の豊かな自然景観と多様な泉質を持つ温泉が最大の魅力です。

温泉地の構成

妙高高原温泉郷を構成するのは、以下の七ヶ所です。

燕温泉（つばめおんせん）
関温泉（せきおんせん）
赤倉温泉（あかくらおんせん）
新赤倉温泉（しんあかくらおんせん）
妙高温泉（みょうこうおんせん）
池の平温泉（いけのたいらおんせん）
杉野沢温泉（すぎのさわおんせん）

これら七つの温泉地はそれぞれ異なる歴史や特徴を持っていますが、源泉という点では、その数は五つとなります。具体的には、赤倉温泉と新赤倉温泉は同じ「北地獄谷」から湧き出る源泉を、また妙高温泉と池の平温泉は同じ「南地獄谷」の源泉を利用しています。

歴史

妙高高原温泉郷の歴史は、地域の発展と自然災害という側面から語ることができます。古くから温泉地として知られていましたが、特に1980年代後半に日本でスキーブームが到来すると、各温泉地はスキーリゾートの拠点として多くの観光客で賑わい、かつてない活況を呈しました。

しかし、その栄華は長くは続きませんでした。スキーブームの終焉とともに、観光客は徐々に減少し、地域の経済は低迷期を迎えることとなります。

また、この地域は地質的に不安定な箇所もあり、自然災害に見舞われた歴史もあります。特に記憶されるのは、1978年5月18日に新赤倉温泉で発生した大規模な土石流災害です。この災害により、温泉街は大量の土砂に埋没し、多くの旅館や民家が損壊するという甚大な被害を受けました。この災害で10名の方々が命を落とすか行方不明となるという悲劇に見舞われました。

さらに近年では、2011年5月にも土砂災害が発生し、妙高温泉の源泉が土砂によって埋没するという被害が生じました。この災害は地域経済にも影響を及ぼし、例えば戦国武将として知られる石田三成の子孫が経営していた妙高ホテルが破産するなど、厳しい状況に追い込まれる事業者も見られました。

これらの歴史は、妙高高原温泉郷が自然の恵みを受けつつも、常に自然の脅威と向き合いながら歩んできた道のりを示しています。

アクセス

妙高高原温泉郷への主なアクセス方法は以下の通りです。

鉄道: えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン、またはしなの鉄道北しなの線の「妙高高原駅」が最寄り駅となります。各温泉地へは駅からバスやタクシーなどを利用するのが一般的です。
* 自動車: 高速道路を利用する場合、上信越自動車道の「妙高高原インターチェンジ」が最寄りのICです。インターチェンジからは各温泉地へアクセスできます。

妙高高原温泉郷は、歴史的な困難を乗り越えながら、今もなお多くの人々を癒し続けています。それぞれの温泉地が持つ独特の魅力と、妙高山の麓に広がる壮大な自然が、訪れる人々に特別な体験を提供しています。

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