妻屋秀和

妻屋 秀和（つまや ひでかず）

妻屋秀和は日本の著名な声楽家であり、オペラ歌手です。彼は大阪府に生まれ、島根県松江市で育ちました。音楽の道に進むことを決意し、高校では音楽の講師を務めた勝部俊行に師事しました。その後、彼の紹介で森山俊雄に学び、声楽の技術を磨くことを重ねていきました。森山の教えを受けた後、栗山文昭や福島明也、錦織健など、多くの優れた音楽家たちが成功を収めています。

大学では東京藝術大学を卒業し、その後は大学院まで進学。1992年にはイタリアのミラノに留学し、そこから彼の国際的なキャリアが始まりました。1994年から2001年にかけてはライプツィヒ歌劇場と専属契約を結び、モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』やワーグナーの『タンホイザー』など、多岐にわたるレパートリーで活躍しました。

その後も、ワイマール・ドイツ国民劇場にて専属歌手として活動し、ブレゲンツ音楽祭やライン・ドイツ・オペラ、マンハイム国民劇場など、多くの劇場でオペラに出演しました。日本でも1985年に東京室内歌劇場に出演し、1988年には藤原歌劇団でヴェルディの『マクベス』で正式なデビューを果たします。その後、彼は日本と欧州を行き来しながら多くのオペラに出演し、今までの出演歴は60作以上、演じた役数は80役を超え、総公演数は900回を越えています。特に2018年にはオペラデビューから30周年を迎え、新国立劇場でのベートーヴェン『フィデリオ』に出演し、再びその実力を証明しました。

近年でも、日本の多くの音楽祭や国立劇場で、ワーグナーやプッチーニなどのオペラ作品に出演し続けています。またコンサートソリストとしてもNHK交響楽団の『第九』や宗教曲の演奏に参加し、定期的に音楽活動を行っています。教育活動にも力を入れており、マスタークラスなどを通じて新たな才能を育成することにも貢献しています。

主な受賞歴

妻屋はさまざまな賞を受賞しており、1989年にはイタリアのコンコルソ・ミラノ部門で金賞を受賞し、1991年には日本音楽コンクールにおいても高い評価を得ました。また、1996年にはジロー・オペラ賞やロシア歌曲賞を受賞し、2021年には文部科学大臣賞を受賞するなど、彼の実力は広く認められています。

主なディスコグラフィー

妻屋のディスコグラフィーは多岐にわたります。2013年には『妻屋秀和（バス）ライヴ・イン・東京』を、またワーグナーとヴェルディのアルバムも発売しています。特に、メシアンによる歌劇『アッシジの聖フランチェスコ』の音源は高く評価され、ライヴ録音のCDやSACD作品もリリースされています。このように、彼の音楽キャリアは多方面にわたり、数々の名盤を世に送り出しています。

妻屋秀和は現在ライプツィヒに住んでおり、二期会の会員としても活動しています。

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