妻恋道中 (橋幸夫のアルバム)

橋幸夫のオリジナルアルバム『妻恋道中』

『妻恋道中』は、1969年1月にビクターレコードからリリースされた橋幸夫のオリジナルアルバムです。このアルバムは、橋幸夫が発表した2枚目のオリジナル作品で、彼の音楽キャリアの中でも特に重要な位置を占めています。もともとLP盤（SJX-12）として発売され、その後、2000年7月にはCD形式でも再リリースされ（VICL-62228）、多くのファンに愛され続けています。

アルバムの概要

このアルバムは、戦前の股旅歌謡をテーマにした楽曲が収録されており、いわゆる「股旅歌謡」でデビューした橋幸夫が、往年のヒット曲を現代の感覚で歌い直すという意義のある一枚です。特に、音楽評論家でビクターの名ディレクターである上山敬三が寄稿した解説は、このアルバムの内容に深みを持たせています。彼は、各楽曲の誕生背景や特徴を簡潔に説明し、橋の歌唱力とその選曲の絶妙さについて触れています。

制作の背景や演奏者

また、著名な作詞家である藤田まさとは、このアルバムの制作にあたり橋幸夫と深い関わりを持っており、彼は「橋君に昔のヒット曲を歌ってもらいたいとずっと考えていました。歌唱力の強い橋君が古い歌を現代的なアプローチで歌い上げることで、まるで新作のように甦りました」とコメントを寄せています。これにより、アルバムに収録された楽曲がどれほど魅力的に再解釈されているかが伺えます。

音楽の編曲は、近藤進が4曲、寺岡真三が8曲を担当しており、両者はその後も橋幸夫のアルバムやシングルで共演しています。どちらの編曲も、歌の情感を引き立てる巧みさが光ります。

収録曲一覧

アルバムには以下の楽曲が収録されています。

A面

• - 妻恋道中

作詞：藤田まさと、作曲：阿部武雄、編曲：近藤進

• - 野崎小唄

作詞：今中楓渓、作曲：大村能章、編曲：近藤進

• - むらさき小唄

作詞：佐藤惣之助、作曲：阿部武雄、編曲：寺岡真三

• - 弥太郎笠

作詞：佐伯孝夫、作曲：佐々木俊一、編曲：寺岡真三

• - お駒恋姿

作詞：藤田まさと、作曲：大村能章、編曲：寺岡真三

• - 勘太郎月夜唄

作詞：佐伯孝夫、作曲：清水保雄、編曲：寺岡真三

B面

• - 旅笠道中

作詞：藤田まさと、作曲：大村能章、編曲：近藤進

• - 名月赤城山

作詞：矢島寵児、作曲：菊地博、編曲：寺岡真三

• - 流転

作詞：藤田まさと、作曲：阿部武雄、編曲：寺岡真三

• - おしどり道中

作詞：藤田まさと、作曲：阿部武雄、編曲：寺岡真三

• - 大利根月夜

作詞：藤田まさと、作曲：長津義司、編曲：近藤進

このアルバムは、橋幸夫の豊かな表現力と、古き良き日本の音楽が融合した貴重な作品で、聴く人々に色あせない感動を与えています。

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