姜大衛

姜大衛：香港映画界を彩る巨匠の生涯

姜大衛（チャン・ダーウェイ）は、1947年上海生まれの香港の俳優、映画監督である。英語名はデビッド・チャン、ジョン・チャンとも呼ばれる。彼の家族は代々俳優を輩出してきた演劇一家であり、兄は秦沛（チン・プイ）、異父弟は爾冬陞（イー・トンシン）と、香港映画界に多大な影響を与えた人物を兄弟に持つ。さらに、妻の李琳琳、娘の姜依蘭・姜依文、息子の姜卓文（ジョン・チャン・ジュニア）も俳優として活躍しており、まさに映画一家と言えるだろう。姜依蘭は2007年に俳優の曹永廉と結婚している。

3歳の時に香港に移住した姜大衛は、4歳で映画デビューを果たす。12歳時には『江山美人』に出演するなど、幼い頃から芸能界に身を置いていた。1966年、ショウ・ブラザーズに武術指導員として入社すると、巨匠張徹（チャン・ツェー）監督に見出され、『遊侠児』で主演デビュー。その後、数々の作品に出演し、特にティ・ロンと組んだ作品は高い人気を誇った。70年代には「アジアの映画王」と呼ばれるほどの人気と実力を兼ね備えたスター俳優となる。

70年代後半からは、監督業にも挑戦し始め、1974年のコメディー作品『怪人怪事』(英題：A Mad World of Fools)で監督・主演を務めた。以降は、兄や異父弟と共同で製作した武侠映画『猫頭鷹』や、喜劇映画『無厘頭』など、幅広いジャンルの作品を監督。さらに、『聴不到的説話』、『黒雪』、『不一様的媽媽』などの作品を発表し、俳優としてのキャリアと並行して監督としても高い評価を得た。

1980年代以降はテレビドラマにも進出し、『再見亦是老婆』などの人気作品に出演。1994年には、陳秀雯主演のTV時代劇ドラマ『再見亦は老婆』で夫役を演じ、幅広い演技力を披露した。

しかし、1990年代後半からの香港映画界の不振に伴い、活動は徐々に減少。近年は妻の李琳琳一家と共にカナダに移住し、香港とカナダを行き来しながら映像作品に関わっている。

姜大衛の主な出演作品

姜大衛は、数多くの映画やテレビドラマに出演し、その幅広い演技力と存在感で観客を魅了してきた。以下に、代表的な出演作品を年代順に列挙する。

1950～1970年代: 『江山美人』(1959)、『大女侠』(1968)、『ヴェンジェンス/報仇』(1970)、『雙侠』(1971)、『水滸伝』(1972)、『ブラッド・ブラザース 刺馬』(1973)、『少林五祖』(1975)、『飛刀又見飛刀』(1976)、『螳螂』(1978)、『少林英雄榜』(1979)など、時代劇、武侠、アクションなど多彩なジャンルで活躍した。

1980～1990年代: 『猫頭鷹』(1981)、『少爺威威　PLAY CATCH』(1983)、『霹靂大喇叭』(1986)、『富貴迫人』(1986)、『義胆群英』(1989)、『黄飛鴻之II』(1992)、『DRAGON: THE BRUCE LEE STORY』(1993)など、コメディ、アクション、時代劇と、幅広いジャンルに挑戦し続けた。

2000年代以降: 『黒社会』(2005)、『デイジー』(2006)、『天台』(2013)、『カンフー・ジャングル』(2014)、『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』(2019)など、近年でも精力的に活動している。

姜大衛監督作品

俳優としてのキャリアに加え、監督としても数々の作品を発表している。

『怪人怪事』(1974)
『猫頭鷹』(1981)
『大内群英』(1984)
『聴不到的説話』(1986)
『黒雪』(1991)
『恋恋瓊瑤』(1999)

これら以外にも、多数のテレビドラマ作品を監督している。

まとめ

姜大衛は、俳優として、そして監督として、香港映画界に大きな足跡を残した人物である。彼の作品は、時代やジャンルを超えて、多くの観客を魅了し続けている。これからも、彼の活躍に期待したい。

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