姫さま狸の恋算用

姫さま狸の恋算用

『姫さま狸の恋算用』は、水瀬マユによる日本の漫画作品で、『漫画アクション』（双葉社）にて2013年から2016年まで連載されました。徳島県小松島市を舞台に、人と狸との恋愛模様をコミカルに描いた作品です。

あらすじ

物語は、徳島県小松島市にある金長神社の近所の藍染屋の一人息子、大和陸（やまとりく）を中心に展開されます。陸は幼馴染の百香（ももか）と共に京都の大学へ進学することを夢見ていましたが、家業の跡継ぎという立場と、許婚であるミヨの存在によってその夢は打ち砕かれます。さらに、ミヨはただの許婚ではなく、家柄も気立ても毛並みも良い狸だったのです。

物語は、陸とミヨ、そして周囲の人々や狸たちが織りなす騒動や恋愛模様を描きながら、阿波の狸族の復興というテーマにも迫っていきます。

登場人物

大和 陸（やまと りく）
藍染屋「大和屋」の一人息子。高校2年生で美術部に所属しています。幼馴染の百香に密かに想いを寄せており、狸であるミヨとの許嫁関係に戸惑っています。
ミヨ
陸の許嫁である狸。人間に化けることができ、美しい少女の姿をしています。金長派と六右衛門派の和解・統一、そして阿波の狸族の復興という使命を背負っています。
近衛 百香（このえ ももか）
陸の幼馴染。京都の大学への進学を夢見ています。
ハノスケ
初代金長の子分。陸の護衛のため、高校教師に扮しています。
八代目六右衛門（はちだいめろくえもん）
ミヨの父であり、津田の狸たちの長。人間や金長派を憎んでいます。
ゴンスケ
ミヨに思いを寄せる狸。人間に化けることも得意です。

阿波の狸族

物語の背景には、阿波の狸族という存在があります。かつて阿波の狸合戦と呼ばれる戦いがあったものの、現在は滅亡の危機に瀕しています。金長派と六右衛門派という二つの勢力に分かれており、それぞれ異なる思惑を持っています。

金長派
小松島を中心に生息する狸たち。初代金長を祀る金長神社を守っています。
六右衛門派
津田山を中心に生息する狸たち。人間を強く憎んでいます。

用語解説

化かし
狸が持つ特殊な能力で、幻覚を見せたり、姿を変えたりすることができます。
狸天珠
困っている狸の居場所を示す力を持つ石。
阿波の狸合戦
過去に起こった金長派と六右衛門派の戦い。

書誌情報

水瀬マユ 『姫さま狸の恋算用』、双葉社 〈アクションコミックス〉全9巻
[各巻のISBNコードは省略]

外部リンク

ドラマCD 姫さま狸の恋算用 公式サイト

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