姫路市企業局交通事業部

姫路市企業局交通事業部について

姫路市企業局交通事業部は、かつて兵庫県姫路市において路線バス、モノレール、そしてロープウェイ事業を運営していた地方公営企業です。この組織は水道局と統合されるまでは「姫路市交通局」として知られていました。交通事業部は、多くの変遷を経て2010年にその運営を終了しました。ここでは、企業の歴史や路線の変遷、合併に至る経緯について詳しく見ていきます。

沿革

姫路市の交通事業は1946年に始まり、市営乗合自動車業務の開始として記録されています。1955年にはワンマンバスの導入が始まり、1958年には書写山ロープウェイの運行もスタート。その後、1966年にはモノレールが開業するなど、運輸の種類が増えていきました。ただし、モノレールは累積赤字の影響で1979年に正式に廃止され、書写山ロープウェイは2006年に観光交流推進室へと移管されました。

路線バス事業もまた、モータリゼーションの進展と利用者の減少により厳しい経営を強いられることとなりました。2010年の3月26日には、神姫バスへと路線移譲が行われ、姫路市営バス事業はついに終了を迎えます。この間の歴史には、様々な合理化や再編成が行われてきたことが強い影響を与えました。

市営バスの役割

姫路市営バスは、1946年の開業以来、市民の交通手段として重要な役割を果たしてきました。戦後の混乱期において、他の民間バスがストライキや運休により利用できなくなることが多く、市民のために交通機関を提供することを目的として設立されました。初期には既存のバス会社との協力がありましたが、競争が進むにつれ、次第に対立関係へと変わっていきました。

バス事業は22路線44系統にわたり、105.74kmの営業距離を誇っていました。姫路駅には南北にターミナルが設けられ、飾磨駅や網干駅へも路線が延び、地域住民の移動手段として機能していました。特に、2006年度末には日常の乗客数が約12,327人に達していましたが、経営は非常に厳しく、累積赤字は年々増加していきました。

路線の再編と譲渡

交通事業の再建に向けた取り組みは1971年に始まりました。1972年には路線再編成が行われ、神姫バスとの路線交換が実施され、効率的な運営を目指しました。この施策により、一定の合理化は達成されましたが、他の問題も浮上しました。特に、ベースアップによる人件費の増加や物価高騰が経営を圧迫し、最終的には再建団体としての道を歩むこととなります。

事業撤退

姫路市は2008年に全路線の民間移譲を発表し、2009年から神姫バスへの移管が開始されました。2010年までに全ての路線が移譲され、市営バス事業は完全に廃止されました。その後の流れとして、兵庫県内の公営バスは姫路市に続き、明石市や尼崎市も民営化を進め、結果として神戸市と伊丹市を除き、ほとんどの公営路線が民間へと移行することになりました。

車両について

姫路市営バスでは、国産メーカーのバスが均等に導入され、末期にはCNGノンステップバスを中心とした車両運営が行われていました。事業撤退後、これらのバスは神姫バスに引き継がれました。様々なメーカーのバスが姫路の街を走り、多くの市民に親しまれてきた歴史があります。

このように、姫路市企業局交通事業部は地域交通の中心として長い歴史を持っていましたが、近代化の波や経営難などにより終焉を迎えました。その歴史を振り返ることで、市民の移動の便と地域の発展に寄与した軌跡を知ることができます。

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