孝敬太皇太后

孝敬太皇太后（こうけいたいこうたいごう）は、明の万暦帝の敬妃であり、南明の永暦帝の祖母にあたる人物です。彼女の生涯は、万暦帝の寵愛を受け、二人の王子を産むも、若くして亡くなったことで知られています。

李氏という姓を持ちますが、詳しい出身は不明です。万暦帝の寵愛を深く受け、万暦22年（1594年）には朱常潤（恵王）を産み、同年には敬妃に封じられました。さらに万暦25年（1597年）3月10日には、朱常瀛（桂王）を産みましたが、その直後の同月に亡くなりました。彼女の死後、恭順栄荘端静皇貴妃という諡号が贈られ、天寿山に手厚く葬られました。

後に、孫にあたる永暦帝が即位すると、孝敬恭順栄荘端靖敬天光聖皇后という諡号を追贈され、その功績が讃えられました。

また、外史には興味深い逸話が残されています。李敬妃の死後、万暦帝は彼女の遺品の中から、石星から贈られた寝台を発見しました。万暦帝はこれに激怒し、石星を死に追い込んだと伝えられています。この逸話は、李敬妃と万暦帝の関係の深さ、そして彼女の死が宮廷に与えた影響の大きさを物語るものと言えるでしょう。

彼女の生涯は、『明史』、『南明史』、『北游録』などの歴史書に記録されています。これらの史料を通じて、孝敬太皇太后の生涯を垣間見ることができます。

孝敬太皇太后は、万暦帝の妃嬪として、そして永暦帝の祖母として、明朝の歴史に名を残しました。彼女の生涯は、寵愛、出産、そして早すぎる死という、波瀾万丈なものであったと言えるでしょう。

明史
南明史
* 北游録

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