学校林

学校林について

学校林（がっこうりん）は、主に学校が保有する森林であり、児童や生徒に対する環境教育や体験活動を目的としています。これらの森林は、学校そのものが所有しているものに加え、国有林や公有林といった分収林も含まれています。日本の学校林の起源は1885年に遡り、アメリカから来日した教育者ノースロップが日本の教育界に植林活動の重要性を伝えたことに始まります。彼の影響を受けた文部省は、植林による愛国心の育成や公共精神の醸成、学校財産の形成に寄与することを認識し、学校単位での植林活動を推進しました。

学校林の発展

1897年には文部省が地方自治体に対して学校林の設立を促す通達を出し、これ以降、全国的な植林運動が展開されました。1938年のデータによると、全国の初等・中等学校の学校林の面積は約50,025町歩に達しました。戦後、国土復興運動の一環として学校林の重要性が再認識され、森林資源の確保や公共福祉への貢献が強調されました。

現在、ほとんどの学校林は地元の市町村の森林として存在しており、各自治体の条例に基づいて管理されています。森林管理には専門的な知識が必要なため、多くの場合、予算を計上した市町村や学校林からの収益をもとに森林組合の専門技術者が管理に当たります。しかし、地域の林業が重要な役割を担うエリアでは、児童や生徒が自ら植栽や伐採作業に参加することが奨励されるケースもあります。

ここ数十年では、学校林の収益を校舎の増改築に流用する事例は少なくなり、代わりに環境教育の場としてベネフィットを見出すことが増えています。学校林を活用した活動には、児童・生徒、教職員、地域ボランティアが一体となって取り組む森林体験プログラムが含まれます。

全日本学校植林コンクール

戦後の学校林運動の復活を後押ししたのが1949年から始まった第一次学校植林5ケ年計画です。当時の民間情報教育局のアイヴァン・ネルソンがメディアによる学校林の活動の広報を提案し、その結果として、1950年から全日本学校植林コンクールが開催されるようになりました。初回のコンクールは読売新聞社や国土緑化推進委員会などが主催し、文部省・農林省が後援しました。

コンクールは、学校の部と協力者の部に分かれ、学校の部では小中高それぞれから10校を選び表彰しています。1961年以降、順位付けのシステムが見直され、特選、優秀校、模範校などに分かれての表彰が行われています。初回コンクールでの優秀校には、福島県の平田村第二小学校や宮城県の南郷農業高等学校などが含まれています。

統計と現状

大学や研究機関による調査によって学校林の状況は定期的にまとめられていますが、2006年のデータでは、学校林を所有している学校は約3,057校で、広さは約20,106ヘクタールでした。この数字は2001年の調査に比べて若干の減少を示しています。特に都市部の学校では学校林が減少していますが、環境教育の視点から遠隔地に新たな学校林を確保する動きも一部で見られます。

このように、学校林は教育活動や地域振興において重要な役割を果たしており、今後もその意義はさらに高まっていくことでしょう。

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