学習院 (幕末維新期)

学習院の歴史とその背景

学習院は、日本の江戸時代末期にあたる1842年に設立された教育機関で、当初は京都に位置していました。この学校は、明治時代に登場した学習院とは異なる「京都学習院」とも呼ばれ、その設立には多くの歴史的背景が影響しています。

設立の経緯

平安時代末期の安元の大火により、京都には公家の子弟のための公式な教育機関が失われていました。光格天皇が大学寮の再建を考えていたものの、この構想は実現しませんでした。しかし、仁孝天皇は教育機関の設立に向けた具体的な行動を起こし、1842年にはついに江戸幕府の承認を得て学校が設立されることになります。1847年4月には講義が始まり、三条実万が初代学長に就任しました。最初の名称は「学習所」とされましたが、1849年に孝明天皇から「学習院」の勅額が下賜され、これが正式名称となりました。

教育内容と初期の発展

この学習院では、儒学を中心とし、和学も取り入れた教育が行われました。学生は公家の子弟で構成され、主に会読や講釈が授業の形式として取られました。特にこの時期、吉田松陰が提唱した「四民共学」の概念は、多くの志士たちに影響を与え、京都における尊皇攘夷運動の重要な拠点ともなりました。

尊攘運動とその後

1862年7月から、学習院は朝廷と各藩との交渉の場として機能し、尊皇攘夷派の志士たちが集まる場となりました。しかし、1863年の八月十八日の政変により、尊攘派の公家が処分されると共に、学習院も影響を受けました。このような政治的な混乱の中でも、学習院は教育機関としての役割を維持し続けました。

学習院の転機

その後、1868年には新政府によって学習院は復興され、「大学寮代」と改名されました。この頃、漢学者たちは新設の皇学所とともに新しい教育制度の確立に抗いましたが、最終的には1869年に学習院は廃止され、新設の漢学所に解消されました。

廃止と後の展開

学習院の後身である漢学所も1869年には皇学所と共に廃止されますが、再開運動が起こり、同年中に「大学校代」として再編されます。しかし、東京奠都に伴い生徒数が減少し、教育機関としての機能が衰退しました。結果として、1870年には官立学校としての地位を失い、その後「京都府中学校」となりました。

現代の学習院

旧制学習院は、1877年に華族会館により新たに設立され、1888年には学習院としての正式な名称が与えられました。これにより、宮内省管轄の官立学校としての地位が確立されました。学習院の歴史は、日本の教育制度や社会の変遷と深く結びついており、その成り立ちは多くの人々に影響を与えています。

このように、学習院はその設立から廃止、そして再編成を経て、現在の学校法人学習院へと繋がる重要な歴史を有しています。

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