宅見組

二代目宅見組の歴史

二代目宅見組は、大阪の中央区に本部を構えていた暴力団で、かつては神戸山口組の傘下にありました。段階を追って組織が成長し、抗争を経て独立するまでの経緯は、暴力団の複雑な側面を映し出しています。

組織の設立と成長

初期の二代目宅見組は、三重県鳥羽市で設立された福井組鳥羽支部が起源です。1965年に宅見勝が福井組の若頭補佐に就任し、1970年には大阪に本拠を移し組織名を宅見組に改称しました。その後、宅見勝は組の指導者としての地位を確立し、1989年には五代目山口組の若頭に就任します。

1990年代には、大阪ミナミにおいてその存在感を高め、バブル経済の波に乗って組織の勢力を拡大しました。しかし、抗争の影響もあり、徐々に組織は変容していきました。

抗争の歴史

二代目宅見組は、多くの抗争に巻き込まれました。その一つが「第二次大阪戦争」です。1975年から1978年にかけて、宅見組と二代目松田組との間で激しい抗争が繰り広げられました。この抗争では、宅見組の組員が松田組の構成員を殺害し、その後の捜査で逮捕者を出すことになります。これにより、宅見組は一時的な衝突の中で大きな痛手を負いました。

次に起こったのが「山一抗争」です。1984年から1989年にかけて、宅見組が関与する抗争が続き、宅見勝はこの混乱の中で若頭を推薦するなど、組織の方向性に大きな影響を与えました。この期間中、様々な抗争が激化し、さらなる組織の衰退を招くことになります。

さらに、1990年においては八王子市での抗争が発生しました。この抗争では、宅見組と二率会の間で激しい銃撃戦が繰り広げられ、警察は大規模な捜査に乗り出しました。抗争の結果、宅見勝は不文律を破り、山口組の東京進出を加速させる契機となる事件となりました。

指導者の変遷

1997年、宅見勝が射殺された後、若頭の入江禎が二代目組長に就任しました。入江の下で宅見組は新たな局面を迎えましたが、彼も抗争の絡みで逮捕されるなど、その道程は厳しいものでした。入江は様々な歩みを経た後、2015年には六代目山口組からの離脱を果たし、神戸山口組を設立します。最終的に彼は2022年に神戸山口組を脱退し、独立した組織となりました。

現在の状況

2023年に入ると、宅見組の旧本部は売却され、解体されることが決定しました。これにより、二代目宅見組は徐々にその存在感を失いつつあります。過去の抗争や組織内の変化が、現代にどのように影響を及ぼしているのか、その行く末が注目されています。組織の歴史は、一つの地域における権力争いの縮図であり、今後の展開は見逃せません。

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