二率会

二率会（にびきかい）

二率会は、かつて東京都八王子市に本部を置いて活動していた博徒系の暴力団組織です。その源流は、小金井一家、八王子一家、親之助一家という三つの有力な団体に遡ります。

歴史

1969年、当時の日本国粋会（旧称：国粋睦）に属していた八王子一家や小金井一家などが中心となり、組織の結束を強める目的で大同団結を行い、二率会が結成されました。八王子市を中心とする関東西部地域を主な縄張りとし、最盛期には約500人の構成員を擁していました。組織の運営は、主に小金井一家の総長が会長を務める体制が採られていました。

1972年には、博徒系の暴力団同士の親睦を深めるための団体である関東二十日会の結成に参画し、他の組織との連携を強化しました。しかし、1990年には、山口組系の有力組織である宅見組との間で激しい抗争事件（八王子抗争）が発生します。この抗争は、山口組が東京への進出を本格化させる契機となり、都内の暴力団勢力図を大きく塗り替える要因となりました。

宅見勝の死後、二率会は住吉会への接近を試みましたが、山口組と都内暴力団との複雑な力関係に翻弄されることとなります。そして、2001年、五代目会長であった岡澤和佳志（小金井一家九代目総長）が、二率会の解散と自身の引退を発表しました。解散後、小金井一家の神奈川県における勢力（京浜小金井一家を経て現在の小金井一家）および八王子一家は稲川会に加入し、小金井一家の都内における勢力は解体され、住吉会に吸収される形でその歴史に幕を閉じました。

参考文献

溝口敦『山口組ドキュメント　五代目山口組』三一書房、1990年、ISBN 4-380-90223-4
山平重樹『ヤクザ大全　その知られざる実態』幻冬舎＜幻冬舎アウトロー文庫＞、1999年、ISBN 4-87728-826-0

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